こんばんわ、トーコです。
今日は、パウロ・コエーリョの『ヴァルキリーズ』です。
■あらすじ
天使と話すというテーマを与えられ、パウロと妻のクリスは旅に出た。
途中ヴァルキリーズと呼ばれる女性の集団に出会い、共に旅をする。
しかし、その途中嫉妬や自己嫌悪、思い出したくない過去などと戦うことになる。
■作品を読んで
この作品は、作者の実体験をもとに書いているのですが(=魔法使いのヴァルキリーズに本当に遭遇しています。)、なかなかに読者の内面もえぐられます。
実は、この作品を読む前に著者のデビュー作である「星の巡礼」を読んでおくと、背景がよりわかりやすいです。
「星の巡礼」もすごくいい作品です。トーコはこれがきっかけでサンティアゴ巡礼の地に行きたくなり、コンポステーラに実際に行きました。
まあ、「星の巡礼」を読まなくても十分わかりますけどね。
とはいえ、冒頭のJという人物との関係性がよくわかります。
Jは著者にとってはRAM教団というところでの師です。RAM教団については「星の巡礼」で言及しています。
そのJから「天使と話してこいや」というテーマを与えられます。
本題に戻りましょう。
この作品は、パウロ・コエーリョの中でもかなり個人的な事柄に触れられています。
妻の存在、RAM教団(「星の巡礼」でも触れられてますが)、投獄されてひどく心に傷を負った過去など。
でもこれらのパーツは、天使に出会うため、話すために気が付き、乗り越えるためには必要なパーツでもありました。
特に今回は、天使に会いに行くために妻クリスとともに旅に出ます。
しかもこのクリスさん、RAM教団も著者の師のJとの面識及び関係はありません。
クリスさんは夫の旅に仕方なく巻き込まれていきますが、旅を通して彼女自身も何かを発見していき、成長します。
ヴァルキリーズの1人バルハラはパウロにこう言います。
人生にはたくさんの問題が出てくるでしょう。簡単な問題もあれば難しい問題もあるわ。
でも、これからは神の手だけがすべてに責任を持ちます。あなたがもう、それを邪魔しないから。
問題解決するのに本当に必要なことというのは、自分に言い訳をし、問題に向き合わないという事実でしょう。言われてみれば結構あると思います。
「あなたが邪魔をする」という言葉はきっとそういう意味なんだろうなとトーコは解釈しております。
物語の最後にあるのは、このセリフ。
愛は何よりも強く、私たちの成長を助けてくれるでしょう。
それからまた1歩ふみだせますし、愛があることを信じられるのですから。
■最後に
翻訳者が著者から15年間翻訳の許可が下りていません。
それは、著者もこの作品の世界観を伝えるために最適な方を選んでいた証でもあります。
自分を許すプロセス、自分の制限を捨てるが分かってきます。
[…] 30.『ベロニカは死ぬことにした』、200.『ヴァルキリーズ』 […]
[…] 30.『ベロニカは死ぬことにした』、200.『ヴァルキリーズ』、375.『賢者の視点』 […]
[…] 30.『ベロニカは死ぬことにした』、200.『ヴァルキリーズ』、375.『賢者の視点』、395.『第五の山』 […]