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【男の生き様・時代小説】33.『花神』著:司馬遼太郎

投稿日:4月 28, 2017 更新日:

こんばんわ、トーコです。

今日は司馬遼太郎の『花神』です。なお、この作品は文庫本上・中・下の3冊で構成されています。

花神 上・中・下巻 全3巻セット (新潮文庫) [文庫] by 司馬 遼太郎 [文庫] by 司馬 遼太郎 [文庫] by 司馬 遼太郎 [文庫] by … –

■あらすじ

大村益次郎もといい村田蔵六という男の生涯を描く小説。

大村は長州藩の村医者の子として生まれ、まずは医学書生からスタートし、やがて宇和島藩に仕えて兵法の本の翻訳の仕事につき藩士身分を収得し、幕府の学問所勤務になります。

その間に、医学からオランダ語を学び、オランダ語の翻訳を通して兵法、蒸気機関等を学ぶことになりました。

長州藩出身の人物の中にかなり優秀な人間がいることを知った長州藩は、彼を長州藩で徴用することになります。そこでなんと戦を指揮することになります。しかも生まれて初めての戦なのに勝利してしまいました。

やがて戊辰戦争に突入し、まずは幕府瓦解後の江戸を新政府軍の完全な統制下に置くため、江戸での戦いを指揮しました。

しかし、この戦いがある意味原因で命を落としてしまう。けっこう不思議な男の生涯です。

■作品を読んで

上巻では蔵六の生いだちから緒方洪庵の塾で医学を学び、その後宇和島藩に仕え、兵法の研究に従事します。それから桂小五郎に熱心にスカウトされ長州藩に仕えるところまでが書かれています。

中巻では蔵六の軍師っぷりがわかります。なんてったって、生まれて初めて戦に挑み、作戦通りに勝利し、一躍有名になるのですから。

そして、戦いに関しても革命を起こします。

銃の操作をきちんと覚えることと上官の言うことを忠実にきき、その通りのことをすればいいので、戦は武士でなくてもできることを証明するのでした。

この方法なら、当時武士という上位階級に甘んじ、戦うことのできない武士たちをあてにしなくてもいいし、武士よりきちんと訓練をされた下位身分の者が戦いに参加できるようになりました。簡単に言えば、だれでも戦えるののです。これでは身分がひっくり返ることも可能です。

明治維新での最大の変化の一つ、軍事革命はこうして起こったのかがわかります。

下巻では主に江戸幕府瓦解後がメインとなります。

江戸では西郷隆盛が大将となっていましたが、西郷と大村が交代し、戦いに挑みます。

結果的に戦いは大村のたてた戦略がうまくいき、勝利を収めることができました。

しかし、西郷を慕うものはかなり多く、対する大村は物静かすぎるせいかあまり人望はなかったそう。

さらに、西郷のメンツを汚したと感じた西郷の子分らの奇襲によって致命傷を負い、そのまま亡くなるのです。

西郷自身は何も指示していないのに。西郷は全く悪くあるません。念押します。

だが、奇襲の後自分で止血したというエピソードはさすが元医者。

そういえば医者だったなということを思い出させられます。

革命の最後には冷静に状況を正確に分析できる、時には血も涙もないと言われるような人間もまた必要なのだと思います。

正しいことをやっても、あまり功績が語られていないせいか、うまく立ち回らないと命を落とすようです。

■最後に

大村益次郎の生き方はこれまであまりピックアップされているとは言えません。

ですが、様々な知識をもとに武器を改良したり、応用したり、冷静に状況を分析することにものすごく長けた人物でもあります。

ただ幕末の乱世にあまりにもうまく立ち回り切れていないことと、他人のことはあまり気にをしていなかったのはものすごく残念ではありますが。

会社員として生きる私たちにも、乱世をうまく生き延びるにはどうすればいいかが詰まっている本です。

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