こんばんは、トーコです。
今日は、杏の『杏の気分ほろほろ』です。
■あらすじ
著者の杏さんは、モデルとしてデビューし、女優としても活躍しています。
このエッセイは2013年1月から2016年7月まで朝日新聞デジタルにて連載されていたものをまとめています。
あらすじでも紹介した通り、著者の杏さんは、モデルとしてデビューし、女優としても活躍しています。
現在3人のお子さんを育てている最中で、日中にできるCMやナレーション、ラジオ等が主で女優としての活動には戻っていないそうです。(2020年6月現在連ドラ出演済み)
このエッセイは2013年1月から2016年7月まで連載されていたものをまとめています。
著者にとってのこの3年半は女優として忙しく活動しつつも結婚し、子育てがスタートしたという非常に忙しい時期だったそうです。
2018年現在で振り返ると、手帳には仕事ごとに色分けした予定がびっしりと書き込まれていて、とてもではないが日記を書く予定がなかったそうです。だからこそ、忙しい時期を書いたエッセイが本にまとめられたことは著者としても大きな財産になったそうです。
すごいですね、振り返るいいツールとして本が偶然にも出版できるというのも。
特に連載がスタートした2013年から2015年秋までは本当に女優としても見ないシーズンはないくらいでしたが、その裏では人知れず苦労があったそうです。
おそらく過労(?)からでしょうか、あるドラマのお祓い中に主役である著者が倒れるところは、不謹慎ですがなかなかの状況で倒れるという縁起悪いこと極まりないと吹き出しそうになりました。
さらに入院したりと、華やかな世界の裏の苦労がすごいです。
また、エッセイからは著者の人となりが見えてきます。
何というか、かなり真面目な方なんだなぁと思ってしまいます。
役作りの方法論もすごいです。まさかモノから入っていくとは思わなかった。
また、特にオケ老人という映画の下りはすごいとしか言えません。楽器を初心者が集まってそれなりの形にするって大変だし、指揮者ももはや暗記で臨んでいるの逆にすごいなと感心してしまいます。
エッセイの中で印象に残った言葉がありました。
休むことも遊ぶことも力が要る。
本当にそうだなと思います。多くの一般人はそう思っています。この世の中、休みたくても休めない。
でも、まさか芸能人からそんな言葉が聞こえてくるとは思わなかったです。
異世界の人かと思っていましたが、ここまで来ると同じ人なんですね。
でも、それってここまで忙しく働いて、休みがなかなか取れないすごく真面目な人の言葉です。 著者もものすごく女優として多忙を極めていた時期のはずですから。
また、最後に社会の在り方も少しずつ変わるべきだと、あとがきに書いています。
次の世代どう託していけるのか、という言葉で結んでいます。
なんだか、等身大で語っていてすごく元気が出てくるし、今こうして仕事漬けで生きている姿が少しだけ重なります。
ただし、ものすごくおこがましいこと必須ですが…。
■最後に
女優の仕事エッセイとして書かれていますが、すごく著者の飾らない真面目な人柄が伝わってきます。
女優やモデルの仕事から著者なりの仕事論が語られており、非常に共感できる本です。