こんばんわ、トーコです。
今日は、村上春樹の『海辺のカフカ』です。
■あらすじ
カフカと名乗る少年は15歳になり、家出をした。世界で1番タフな15歳の少年になるために。
一方で、猫と話せる老人ナカタさんは、ある時ジョニーウォーカーと名乗る男と出会う。
■作品を読んで
この作品は、トーコ個人としては、中学生のころから折を見て何回か読んできた作品です。
読むたびに感想に変化が出たり、新たな発見があったりと、再読も楽しいものです。
何回か同じようなことを書いているかもしれませんが。
今回読んで思ったのは、ナカタさんとともに旅をする星野青年のことです。
読んでいたころは年齢が近いせいか、カフカ少年に感情を移入して読んでいたのでしょう。
今回読んでいて星野青年ってこんなにいいやつだったけか、と思いなおしました。
星野青年はトラックの運転手で、ナカタさんがヒッチハイクで旅を続けているときに出会いました。
星野青年は、昔大好きだったおじいちゃんを見ているような気分でナカタさんを見ていました。そのせいなのでしょうか、おじいちゃんに恩返しをするつもりでナカタさんの旅の手伝いをしました。
星野青年は旅をしていく中で、結構趣味嗜好が変わってきます。
例を挙げるなら、通りかかった喫茶店に入り、そこで流れているクラシック音楽を聴いて、クラシックに目覚めます。
ただ、そのクラシック音楽の書き方も著者がクラシック音楽通ぶりを遺憾なく発揮しています。
なんでそういうかといえば、作曲者、曲名だけでなく、演奏者のことまで記述があるので、著者がクラシック音楽をかなり聴きこんでいることがよく分かります。
余談ですが、クラシック音楽について小澤征爾さんと語っている本があるので、ご参考までに。(小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫))
物語は2つの軸がそれぞれ動いていますが、ナカタさんがカフカ少年がバイトしている図書館にたどり着いた時に2つの軸は交わります。
カフカ少年はその時ある事情によりいませんでした。なので、直接ナカタさんに会うことはありません。
ですが、身を寄せていた図書館の職員2人はナカタさんと星野青年に出会います。
図書館の館長の佐伯さんという女性がかなりのキーマンです。
世界があるべき場所であるべき形で収まった瞬間に物語は閉じていきます。
この作品は、村上春樹の長編小説の中でもかなり軸がわかりやすいような気がします。
昔はよく整理するのも理解するのも大変だったような気がします。
時がたって、トーコ自身の人生の経験値が中学生や高校生と比べて少しは上がったからなのでしょうか、村上春樹の作品が少しずつ理解できるようになってきたんだと思います。
何となくですが、面白さが少しずつ理解できるようになったからでしょうか。
さて、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」読んでみようかしら。
実はこの作品、トーコが唯一完読できなかった作品なのです。
■最後に
同じ作品を何度読んでも新しい発見があります。
村上春樹の作品はなかなか理解できるようになるには個人差が発生しますが、この作品は軸が割とわかりやすいので、読みやすいかと思います。
世界の出口が見つかった時に物語が閉じていきます。不思議な作品です。
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