ある読書好きの女子が綴るブック記録

このサイトは年間100冊の本を読む本の虫の女子がこれから読書をしたい人向けに役に立つ情報を提供できればなと思い、発信しているブログです。

ミステリー 小説 文庫本

【ミステリー?】94.『オーデュボンの祈り』著:伊坂幸太郎

投稿日:1月 13, 2018 更新日:

こんにちは、トーコです。

今日は、伊坂幸太郎の『オーデュボンの祈り』です。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

 

■あらすじ

コンビニ強盗に失敗した伊藤は、見知らぬ男に連れられて江戸時代より外部との交流を絶っている「萩島」にやってきた。

そこには不思議な住民がいた。嘘ばかり言う男、なぜか殺人を許された男、未来の見えるカカシ。

しかし、伊藤が来た次の日にカカシが殺される。

どうして、カカシは自分が殺される未来が見えなかったのだろう。

 

■作品を読んで

久しぶりに伊坂作品を読んだが、なんか荒いなあ、と思ったらこれがデビュー作だったそう。

はっきり言ってそれでもすごいです。

最初の数ページ読んだだけだと、「?」となって何がなんだかよくわからない世界に連れていかれます。はっきり言って超シュールです。

なんですごいか。登場人物同士の何気ない会話や動作が、さらにはどこかからの引用やらが事件の解決のための重大ヒントになっていて、最後にはすべてつながるからです。

本当に無駄がない。きちんとラストにつながっている。

あー、こいつかと思う頃には、まあ犯人とのやり取りになっているのです。

トーコはミステリーを読まない方なので、イメージで述べさせていただきますが、この本は従来のミステリーの概念を結構覆していると思います。

なんというか、新感覚です。

一番面白かった文章はこれです。

名探偵は、いつも事件が起きるのを防ぐためではなく、解き明かすために存在している。結果的には誰も救わない。はたしてそれでいいのか。

ミステリーがこれを言うんだ、と思いました。

その通りだけど、従来の探偵ものってこの命題を前提にやっています。

某コナンなんて毎週よくもまああなたの身のまわりで事件が起こりますね、と突っ込みたくなるくらい。こいつがいるからいつも事件が起こるし、というか物語が成立しなくなるかと思うのです。

あ、誤解のないように言いますが、某コナンが面白くないとかネガティブキャンペーンをするつもりではありません。

この作品は、「誰かを救う」方が読み解くカギになっているんだと思います。

だから、この作品は従来の探偵ものにありがちな命題を否定できるのです。

それゆえ、ミステリーというよりファンタジーでシュールな作品ができたのだと思います。

 

■最後に

従来のミステリーとは違う、超シュールな作品です。

物語の随所に解決のヒントがちりばめられています。

すごく物語の世界にぐいぐい引き込まれる作品です。

 

-ミステリー, 小説, 文庫本,

執筆者:


comment

関連記事

【コロナ時代の小説】299.『十年後の恋』著:辻仁成

こんばんわ、トーコです。 今日は、辻仁成の『十年後の恋』です。 十年後の恋   ■あらすじ パリに住む日本人のマリエ・サワダは2人の娘を抱えているシングルマザー。映画関係の仕事に従事し、忙し …

【ニューノーマル】268.「パンデミック後、新しい世界が始まる」著:ジャック・アタリ

こんばんは、トーコです。 今日は、ジャック・アタリの「パンデミック後、新しい世界が始まる」です。 命の経済――パンデミック後、新しい世界が始まる   ■あらすじ 著者は、この作品をロックダウ …

【内なる熱さを秘めた言葉】445.『灯をともす言葉』著:花森安治

こんばんわ、トーコです。 今日は、花森安治の『灯をともす言葉』です。   ■あらすじ 突然ですが、あなたは花森安治をご存知でしょうか。朝ドラ「とと姉ちゃん」に登場した「暮らしの手帖」の名編集 …

【不思議な本】73.「不時着する流星たち」著:小川洋子

こんにちは、トーコです。 今日は小川洋子の「不時着する流星たち」です。 不時着する流星たち   ■あらすじ グレン・グールドやエリザベス・テイラーなどの影響やインスパイアされた短編が収録され …

no image

【旅に出たくなる本】28.『ラオスにいったい何があるというんですか?』著:村上春樹

こんにちは、トーコです。 今日は、村上春樹の「ラオスにいったい何があるというんですか?」です。 ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 – ■あらすじ 著者の村上春樹が過去に住 …