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【命懸けの恋】6. 『海鳴り』 著:藤沢周平

投稿日:4月 2, 2017 更新日:

こんばんは、トーコです。

今日は藤沢周平の『海鳴り』です。

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■あらすじ

老いを意識し始める新兵衛。商売はまあ順調。だが家庭内はいろいろ上手くいってなく、夫婦関係は冷え切っていた。

そんな中、美しい人妻おこうに恋する。だが、時は江戸時代。不義密通は死罪になる時代。

果たしてどうなるのやら。

■作品を読んで

忘れもしない、この本を読みながらお茶かコーヒーをぶちまけて、文庫本が大変になったこと。後にも先にも、そんな経験は今のところこの本だけです。

ふう、買った本でよかった。これ図書館の本だったら怒られる。

さて、戻りましょう。

この作品は、藤沢周平が恋愛色を前面に出していてなんとなく珍しいと思い、手に取った本です。

不倫は文化とおちゃらけたセリフを言った方が今の世の中いらっしゃいますが、部隊の江戸時代は冗談抜きで命懸けの時代。

不義密通の罪は非常に重く、下手をすると処刑されるくらい厳しい時代という背景をお忘れなく、それを踏まえて読んでください。

それを踏まえると、そりゃもちろんですが、新兵衛とおこうの恋も命懸けです。

2人で逢うのだってまず大変。何人もの人を介して手紙を届け、どこか別なところで逢わないといけないので、その店主も若干協力してもらわないといけなかったり。

今はいいですね、スマホがあればなんとかなるので。不倫はばれずにしやすいです。まあ、態度でばれるでしょうが。

でも2人にとって互いの存在は、家庭内が絶望的な状況の中のたった一つの希望で、いつしか2人は結ばれてしまうほどかけがえのないものでした。

物語のラストで2人は駆け落ちを決断します。

でも、新兵衛はわからなかったとつぶやきます。本当に自分の決断が正しかったのか。まあ、自分で選んだ道だから迷うのでしょうけど。

今は非日常の真っ只中にいるのであって、居を構えて少しずつ新兵衛とおこうの暮らしが日常に変わるとどうなるのか。落ち着いた中で見るのとは違ってきますからね。

果たしてしあわせは得られるのだろうか。でも引き返すにはあまりにも遠くへ来てしまいました。

そんな迷いを踏まえて決断しているのがひしひしと感じられる一節。

こうして人生は様々な思いを抱えながら決断するのだなと思います。

それでも、ラストは2人はきっとなんとかなるんではないかという希望があります。

どこか潔いです。

■最後に

2人の関係と家庭などの周囲の状況の対比がより新兵衛とおこうの関係を際立ています。

全てを捨てて結ばれる2人の姿は前途は多難ですが、何か潔いものを感じます。

 

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