こんばんわ、トーコです。
■あらすじ
ある冬の日中学生が自殺したところから物語は始まる。
ところが、自殺したと思っていたら、自殺ではなく殺害されたという告訴状が届いたり、マスコミに騒がれたりと様々な伏線が現れてきます。
マスコミに騒がれてしまったことで生徒たちは学校からの情報を信じるべきなのか、マスコミを信じるべきかわからなくなります。
そこで中学生たちは夏休みを利用して学校内裁判を行うことにしました。弁護人にはなぜか他校の生徒が現れますが。
裁判をする中で徐々に真実が明らかになります。果たして結末は…
かなりの長編で文庫本で全6巻というボリュームですが、すごくあっという間に読める本です。
■作品を読んで
この本は本当に深く考えさせられます。
今の教育の現状、学校問題に関してのマスコミの報道、親や先生の反応、中学生の心。
著者は様々な伏線をうまく入れてしまっています。すごいとしか言いようがありません…。
私たち大人でも傷つくことは多いのに、この生徒の自殺という問題はただでさえ中学生の傷つきやすい心にダメージを与えます。
この中学生たちが選んだ答えは自ら裁判を行うことでした。それを自ら裁くことによってこの問題に向き合おうとしました。
周りの大人たちにはわからないし、理解しきれないことですが、当事者である中学生に通手は必要なことです。
それが周囲の都合の悪い大人から見て例え、例え悪いことをしていたとしても。
そこで様々な事情や事実を知ることになります。
時に真実が残酷だとしても、問題から逃げずにきちんと向き合うことを選んだ中学生たちがすごくあっぱれです。
■終わりに
子どもたちの問題に大人はどう向き合うといいのか。かつて中学生だった私はどう考えたのでしょう。
そんなことわかるわけではないのですが、もっと早く(あと10年)読みたかったです。
できれば中学生の時期にリアルタイムで読みたかったです。でも今読んでも遅くはないです。
この本には伏線がたくさん詰まっていて、教育をめぐる様々な問題がたくさん提起されています。
中学生のあなたも、大人になってしまった方も、特に長期休みとかをうまく使って一気に読んでほしいです。