こんばんわ、トーコです。
今日は、進士素丸の『文豪どうかしてる逸話集』です。
■あらすじ
あなたは、教科書に出ている文豪についてどう思いますか。
お堅い人たちなんだろうな、と思ってたらとんでもない。かなりエキセントリックですよ。
そんな面白い情報をアップしていた記事が書籍化されました。
■作品を読んで
のっけから爆笑です。太宰治を囲む文豪たちって…。
読んでいる時に打合せのため1時間半以上かかり、行きたくない、満員電車ヤダー、と思っていたので、この作品に地味に救われました。
まず、太宰治もなかなかにエキセントリックです。
芥川龍之介大好きすぎてノートに「好きだ、好きだ」と書いているのが残っており、後世にばっちり伝わったり、芥川賞選考委員だった川端康成に脅迫めいた文章を送ったり。
ここまでは結構有名な話もあるので、そういえばそうやった、と爆笑。
電車の中なので、マスクしててよかった。
1番笑ったのは、田山花袋でしょうかね。
私小説を始めた元祖ともいわれていますが、名作「蒲団」は大体実話らしいです。
しかも、この紹介の文章が面白すぎて爆笑。引用します。
妻子ある身でありながら弟子の女学生に恋をして、その女学生に恋人がいることを知って落ち込み、嫉妬して無理やり別れさせて故郷に帰らせ、寂しくなって女学生が使っていたパジャマの匂いを嗅ぎながら泣いちゃう中年作家の話
結構、これ引きます。ただのロリコンエロおやじじゃねーかよ、と突っ込みたくなります。
犯罪レベルですぜ、これ。でもこれが日本の文学史の重要なページの一つなんですよね。
このエピソード付きで覚えれば文豪と代表作が簡単に覚えられそうな気がします。
中学生の時に、明治時代からの文豪とその代表作をなんか必死に覚えたような記憶があるので、その当時にこんな本があればよかったなあ、と。
なんというか、文豪=立派な人と思いがちですが、この本で紹介されている人は1人としてまともな人がいません。
娘の幸田文に掃除等の家事を厳しく教えた幸田露伴や真面目過ぎる横光利一のエピソードが、「なんか普通じゃね」と思えてくる(十分変わってますけど)くらいまともな人がいません。
ドン引きエピソードばかりです。ここまで笑わせてくれるとは、と思います。
しかも、このブログにアップしていた文章、結構しっかりとした文献を読みこんだうえで書いてます。つまりこの情報ほぼ確か。
よくぞこの作品をまとめてくださった。
本当、著者の言うとおり文豪たちの情報を頭に入れたうえで、名作と呼ばれる作品を読むとまた違った見え方になるかもしれません。
■最後に
1人として普通なエピソードがない文豪たちの逸話を綴った本です。
本当に爆笑エピソード満載です。文豪への敷居がきっと低くなるかもしれません。