こんばんわ、ト―コです。
今日は乙川優三郎の『ロゴスの市』という本です。
■あらすじ
翻訳家の男と同時通訳の女が大学生のときに出会ったことからスタートし、様々な出来事がありながらも、30年ほどの友情を描いた作品です。
■作品を読んで
男の目から描かれる翻訳の世界の奥深さには驚き、改めて翻訳と通訳はけっこう似て非なるものなのだと思いました。
青春時代をこの2人の場合英語と共に駆け抜けました。この2人の共通項は何だったのでしょう。
それはきっとこの2人の間でしか分かり得ないもので、歳月が経過し別々の道を歩んでいたとしても、2人にはきちんと通じているのですから。
そんな友情と愛情のはざまで揺れ動くのははなかなかないなと思ってしまいました。
この2人は結ばれそうで結ばれなかったので、運命やタイミングが悪いなあと思いました。
■最後に
この作品はすごく奥が深く、すごく共感できるものがたくさんあります。
言葉という世界を通しての30年という長い歳月の友情は変わらず、そこにあり続けました。
とても素敵な作品です。