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【生き方を探る】264.『僕たちは、地味な起業で食っていく。』著:田中祐一

投稿日:11月 17, 2020 更新日:

こんばんわ、トーコです。

今日は、田中祐一の『僕たちは、地味な起業で食っていく。』です。

僕たちは、地味な起業で食っていく。 今の会社にいても、辞めても一生食いっぱぐれない最強の生存戦略

 

■あらすじ

今の会社に居続けるも、転職、副業、独立のどれも選んでもリスクになる時代に、どんな生存戦略を描けばいいのか。

この作品では、会社員の持つ「地味なスキル」をもとにした「地味な起業」を紹介します。

 

■作品を読んで

読んでいて思ったのは、これはトーコにとっては意外とハードルが高いかもしれないです。

もちろんですが、人によってはハマる方もいると思います。自分のExcel処理や画像、ウェブサイト運営といった何の気ないかもしれないスキルが役に立つのですから。

ただ、地味な起業とうたっていますが、実際に仕事をもらって軌道に乗せるところをもう少し語ってくれたら、もっとイメージがわくような気がします。

おそらくですが、ここまでたどり着くのには様々な苦労があったはずなので。

まあ、トーコが事務作業の仕事をしているわけではないので、余計そう思ったのでしょう。

そこは有料セミナーになるのでしょうかね。章の最後にセミナーに参加し、行動を起こした方の声があったので。

それでも実績はすごいようです。結構な方が地味な起業を行っているようです。

そして、これを読みながら行きたかった本屋さんの話を思い出しました。

その本屋さんは現在閉店しました。理由は店主さんの体調不良のようです。

本屋という空間は好きだけど、実は店主さんかなり事務作業が苦手でやろうとするにも気が起きない、というくらい苦手だったようです。

閉店に至った理由を読んだとき、自分で抱えずにアウトソースすればよかったのにと思いました。

この作品を読んだ後は感想が変わりました。手伝うよ、って言えたらこの人とこの本屋の運命を変えられたのかな、と勝手に思ってます。

この本屋さんの話を思い出したら、この作品の見方が変わりました。

というか、この地味な起業の最大のポイントは、「この人と仕事をしたら楽しそう」や「この人に貢献したい」という思いと、相手の困りごとを見つけることです。好きな人のビジネスを応援する点からのアプローチです。

おそらくですが、会社の中でしか仕事をしていなくて、かなり受動的な人は全く気が付かないと思うのです。

が、実際に客先折衝をしているとこの最大ポイントは仕事をするモチベーションとしてかなり重要な要素です。

特に、相手がいい人だったらかなり頑張ってしまいます。納期後の問い合わせでもまあいいか、と思ったり。というか、頑張れるのですよ。

不思議なものですよ。こればかりは。出会いの面も大きいのですが。

実を申しますと、トーコは仕事柄、相手の困りごとを見つけて課題解決をすることが多いので、なおのことです。

特に相手の困りごと=課題解決はちゃんと相手を対話をしないときちんとニュアンスまでを伝えてくれないとわからないものです。

又聞きだと、伝達係が相手の困りごとをきちんと汲んで話してもらわないと相手の求めているものに乖離が生じます。

ついこの間も伝達係のおじさんに「おーい、伝達係しっかりしろよ。肝心のポイントが抜けとるがな」と言いました。

このポイントが抜けてしまうと結論がまとめられないので、だいぶ迷惑なことをした伝達係ですが。

あかん、個人的なことを語りすぎた。さて、戻ります。

起業のツールとすれば、Excelでの数値管理、ウェブサイトの運営、ウェブ広告の作成、画像や動画作成・編集、パワーポイントの資料作成、セミナー運営、秘書業務代行など。

しかも、最初からお金を稼ぐというよりは、相手の困りごとを自分の持つスキルで解決することで相手からの信用を得、そこから仕事を広げていくという流れ。小さなことからコツコツと信用を積み上げ、やがて大きな仕事につなげるというスタイル。

著者もこう述べています。

アイデアを実践していけば、確実に信頼を獲得して、地味な起業から本物の起業に自然と変わっていきます。千里の道も一歩から。着実に成長していきましょう。

ここまでが、大枠の地味な起業方法です。

この先の章は、指名され続ける人になるヒント、信用のため方、自分軸のつくり方です。

この先の章に関して言えば、地味な起業を抜きにしても参考になる話かと思います。会社に居続けるにせよ、独立するにせよ必要スキルですからね。

会社員の場合は仕事をしないといけません。誰かから仕事を振られなかったら、相当まずいです。そのうち会社内の居場所が間違いなくなくなります。

指名され続けるとは、会社員でいうところの「この仕事は○○さんにお願いね。」ということ。これがなくなったら居場所はない。

信用のため方も然り。顧客からの信用と会社内での信用。両方ないと会社員はつらいです。バランス悪いのもだめで、しいて言うなら顧客の信用がある方がいい。あ、これは個人の主観です。

自分軸というのは、要約するなら今後のキャリアでしょうね。まあ、最終的に地味な起業で成功するための要素はこれのようです。

リーダーシップを発揮して売れるための戦略を次々に繰り出して、クライアントのビジネスを伸ばしていく必要があります。

クライアントの困りごとの最終形はここです。これを達成させないと指名はされ続けないでしょうし、おそらくですが依頼される仕事のレベルは上がらないと思います。最初に述べた自分のスキルを使うだけだと、体のいい事務作業員になるのでしょうね。

もちろん、会社員で居続ける人もこの視点で仕事をした方がいいです。トーコもやってみよう。会社員で出来たらすごい人ですわね。

地味な起業といいつつも、起業は派手なことをやれる人はほんの一握り。相手のちょっとした困りごとを解決させるのも立派な仕事。

誰かのビジネスを応援する、というのも起業の方向性としてはアリなのです。

 

■最後に

地味な起業という名前に惹かれた人も、あまりピンとこない人も読んでみることをオススメします。

この作品には、会社員を続ける人にも、地味な起業を選んだ人にも絶対に役に立つスキルがありますから。

本質的には、スキルは一緒なのですから。

 

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