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【泣ける本】39.『鉄道員(ぽっぽや)』著:浅田次郎

投稿日:5月 5, 2017 更新日:

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こんばんわ、トーコです。

今日は浅田次郎の『鉄道員(ぽっぽや)』です。

鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)

■あらすじ

表題作の「鉄道員」、「ラブ・レター」、「うらぼんえ」、「オリヲン座からの招待状」などの8作の短編を収録している。

■作品を読んで

表題作の「鉄道員」は北国の駅長さんが主人公の話です。

駅長さんは娘が死んだ日も、妻が死んだ日も駅長としての業務をこなしていました。

身内がなくなった時にも駅に立つのは断腸の思いだったでしょうね。

現在の世の中だとなかなかこういう方はいないようにも思います。だいたい経営の効率化の下無人駅になってしまいますからね。

また、この作品は映画にもなっています。高倉健さん主演で題名は「鉄道員」です。

 

トーコが何度読んでも泣きそうになるのは「うらぼんえ」です。

ちえ子という女性は家族がいません。父と母が離婚し、父方の祖父母に引き取られて育ちました。

祖父母はすでに他界しています。

ちえ子は夫の祖父の新盆のため夫の実家に向かいます。

ただ夫には浮気相手がいて子供ができてしまったので、一刻も早く別れたがっているという事情を抱えていますが…。

そのうえ一族郎党の集まる中子供のいないし、連れてくる親戚もいないため、白い目で見られるのは目に見えているため、もはや地獄行と言わんばかりの状況です。

さらに追い打ちをかけるように、夫の浮気を知ってか知らずか舅と夫の兄から「別れろ」と心無いことを言われてしまいます。

そんなとき死んだはずの祖父が登場します。すごいストーリーだなと思います。

読書中にあまり感情移入をしないのですが、どうもこの作品だけは泣けてしますのです。

絶望的な状況でちえ子を助けるちえ子のおじいちゃんはスーパーヒーローです。読者から見てもスーパーヒーローです。

夫の家族のだらしなさから比較するとすごい差。

でもこんなことにひるむことなく、ちえ子が誰かの子供を産みたいと思ったときの情景は次に向かうためのエネルギーのようですし、著者自身もあとがきで述べています。

■最後に

この短編集には泣ける話がいくつかあって、おそらく意見は人それぞれ分かれると思います。

読んだことのある方に問いたい、あなたはどの作品が泣けましたか?

読んだことのない方も、あなたの泣ける話が見つかるかもしれません。

また「うらぼんえ」に焦点を当てすぎましたが、ほかの作品も泣けたり、やり直したり、作者のこれまでがつまっていたりなどの要素がたくさん詰まっています。

本当に涙腺が緩む作品が多いです。

 

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