こんにちは、トーコです。
今日は、鈴木貴博の『格差と階級の未来』です。
格差と階級の未来 超富裕層と新下流層しかいなくなる世界の生き抜き方 (講談社+α新書)
■あらすじ
副題に書かれている通りですが、予測では超富裕層と新下流層しかいなくなるという、スーパー格差社会が訪れようとしています。
そんな世の中でどう生き延びればいいのかを指南しています。
■作品を読んで
のっけから、衝撃的です。だって、書き出しが「すべての中流家庭は貧困化する」ですもの。
なんという、不安の煽り方…。誰だって不安になることでしょう。
とはいえ、データで見ても日本も、アメリカほどひどくはないと信じてますが、格差社会です。1億総中流を目指してみようものなら、貧困まっしぐら。
さて、どうすればいいのでしょう。
本書では、まず富の流れを見てから、現在の格差について述べています。
なんというか、予想以上に衝撃の内容です。なるほどな、と納得してしまいますが。
1%の富裕層にお金が吸い上げられているのが現代の仕組みになっていますが、富裕層は稼いだお金をすべて消費に使っているわけではないのです。
たとえて言うなら、10億のお金を稼いで、消費1億、投資9億という割合です。
しかも投資は自国だけでなく、他国とくに新興国に投資する傾向が高いようです。
自国の発展に寄与するのではなく、新興国の経済発展に投資しているのです。
さらに言えば、グローバル化により、特にグローバル企業では進出企業間の給与の平均になってしまうので、先進国から見れば給与は当然下がります。
なんだか、同一労働同一賃金の原則を見ているようです。
また、コンサルタント業界の儲けのしくみも解説しています。
なぜこのたとえを出したのかといえば、年収1000万円プレイヤーであっても決して盤石ではないことを示しています。
年収1000万円って確かに聞こえはいいのですが、1000万円を手に入れる人はほんの一握りであることと、意外と生活に余裕のない層であることと、働く人もそこまで満足度の高くない層だとか。
このあたりのデータも調べると出てくるので、参考までに示します。
おそらくですが、このままでは年収1000万円以下はおそらく新下流層の仲間入りをしそうです。
人的資本の価値が下がる中で、どうすればいいのか。
著者が提示するのは、お金に稼いでもらうというもの。
特筆すべきは、アメリカのS&P500のETFに集中投資するという考えです。
今後の経済成長等を考えるとアメリカのインデックスに集中するというのも理解はできますが…。
いずれにしても、投資をするときはちゃんと調べて、読者の皆様のご判断のもとお願いいたします。投資は自己責任でお願いします。
世の中についてかなり悲観的な感が否めませんが、厳しい見方をすればこうなるかもしれません。
資本主義が世界の富を吸い上げ続けるのなら、私たちはその恩恵を受けられるようなポジションに近づくことでしょうね。
言ってしまえば、早くお金がお金を稼ぐ状況になった方がいいみたいです。
■最後に
資本主義の仕組みはかなり残酷です。
しかも、みんな総下流になってしまう世の中が待っているかもしれませんから。
残酷な事実を胸に、私たちは行動を起こさないといけないようです。