ある読書好きの女子が綴るブック記録

このサイトは年間100冊の本を読む本の虫の女子がこれから読書をしたい人向けに役に立つ情報を提供できればなと思い、発信しているブログです。

エッセイ ファッション

【服の力】196.『衣裳術』著:北村道子

投稿日:10月 14, 2019 更新日:

こんばんわ、トーコです。

今日は、北村道子の『衣裳術』です。

衣裳術 《新装版》

 

■あらすじ

北村道子さんは、数々の映画でスタイリストを務めてきました。

そんな彼女が語る衣装についてのインタビューと、数々の映画でのスタイリング写真を収めた一冊です。

 

■作品を読んで

 写真のページからスタートしますが、なかなかにインパクトを残す衣裳だなと感じました。

この本を読んで1番印象に残ったことは、服を着るという行為は様々なものをもたらすということです。

服を着るということは生きているうえで当たり前です。

裸でもいいけど、隠したいところはあるし、寒いし。

ひょっとしたら、人によっては身だしなみの上で失礼のないようにのレベルでしか考えていないこともあるかもしれません。

でも、殊映画の世界では衣裳によって印象も観客に与えるインパクトも変わってくる気がします。

例えば、「ティファニーで朝食を」のオードリー・ヘップバーン。

オードリーが着てた黒のドレスは映画を見たことがなくても、写真を見れば「あっ!」となる人もいるかと思います。

あの黒のジバンシィのドレス=オードリー・ヘップバーン=ティファニーで朝食を、という図式の人もさぞ多いことでしょう。

それくらいに衣裳は映画を象徴的に表すこともあります。

さてここで、著者について語ります。

著者は石川県出身で、学校での授業に価値は見出さず、校長先生の知り合いと授業を受けていたそう。

学校では問題児扱いだったそうですが、校長先生の知り合いが結構強烈なキャラだったらしく自分で考えることを学んだとか。

18歳からアメリカなど世界中を回り、30歳になって広告の仕事を始める。

それからしばらくして、映画のスタイリストに指名され、以後何作かに関わる。

衣裳の写真を見ると、本当に写真だけでも映画の世界観が伝わってきます。

イノセントなもの、ピュアなもの、ピュアだけでない何かなど。

衣裳についての様々な裏話が語られています。何というか、衣裳に関しては監督と同じようなレベルで役ごとにドローイングしています。

 

ただ、2006年以降はやってるのかな?。

この作品の中では1回離れます、って語ってたので。でも、要請があれば復活している気がします。

ただし、日本の映画の状況を見れば何となくですが、この人の活躍できそうな映画がすごく少なさそう。

まず、日本の映画ってそんなに衣裳に凝った映画ってなかなかない気がします。

ってか、例えばですが、高校生の青春ものに凝った衣裳ってむしろいらない。普通に制服で十分。

カメラワーク、照明など細部に凝った映画というのは本当に少ないかもしれません。

というのも、最近日本の映画を映画館で観てないので。あらすじだけでいいなって思うものが皆無に近いので。

漫画原作も悪くはないですが、映画なんだからオリジナルで行こうよ、と思うこともありますが、おそらく費用面でも無理なんでしょうね。

費用面という言葉が出てしまえば、おそらく衣裳や照明といった撮り方の問題がなかなかおざなりになってしまうのでしょう。

そこを若干憂慮したのでしょう、というか合わないから1度身を引くと述べたのでしょう。

それにしても、著者の衣裳の中には何か著者にとって不変な精神であふれてます。

役に応じてキャラクターを服でうまく表現していますが、自分にとっての「道」もうまく入れ込んでいる。

自分を貫くっていろいろな意味でも難しいのに、与えられたものにうまく入れ込めるのはすごい。

そんな職業人で本当にありたい、とトーコは思うのでした。

 

■最後に

北村道子の衣裳術と仕事術が織り交ぜられています。

とても一貫していて、現代人が意外と忘れていたこともうまく表現されています。

彼女にとっての衣裳とは、映画とは、ファッションとはに迫れる本です。

 

-エッセイ, ファッション,

執筆者:


comment

関連記事

【ある対話】305.『みっちんの声』著:石牟礼道子 池澤夏樹

、こんばんわ、トーコです。 今日は、石牟礼道子と池澤夏樹の『みっちんの声』です。 みっちんの声   ■あらすじ 2008年から石牟礼のなくなる2017年までの2人の対話が綴られています。 1 …

no image

【明日へ向かう】23.『錦繍』 著:宮本輝

こんばんは、トーコです。 今日は宮本輝の『錦繍』です。 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) ■あらすじ 夫が別の女とともに心中騒動を起こし、それが原因で夫婦は離婚しました。 この物語は、10年後偶然にも …

【タフになる】177.『海辺のカフカ』著:村上春樹

こんばんわ、トーコです。 今日は、村上春樹の『海辺のカフカ』です。 海辺のカフカ(上巻) posted with ヨメレバ 村上 春樹 新潮社 2005年03月 海辺のカフカ(下巻) posted w …

【世界が動く】338.『雨の島』著:呉明益

こんばんわ、トーコです。 今日は、呉明益の『雨の島』です。 雨の島   ■あらすじ 小説の中に出てくる事件「クラウドの裂け目」というコンピュータウイルスによって、誰かの関係を分析し、鍵をかけ …

no image

【番外編】夏の文庫フェア in2023

こんばんわ、トーコです。 今年もいつも通り夏の文庫フェアを行っています。 ちなみに夏フェアは、新潮文庫、角川文庫、集英社文庫が100冊選んでプッシュしています。トーコもここから過去記事をピックアップし …