こんばんわ、トーコです。
今日は大竹伸朗の「カスバの男-モロッコ旅日記」です。
■あらすじ
著者が11日間モロッコを旅した記録が綴られている。
その場所で感じたこと、思ったことをすごく鮮やかな文章でつづっています。
また著者自身は画家だそうです。
作品には、この旅の中で描かれたスケッチや絵を収録しています。
■作品を読んで
この作品を知ったのは、あとがきを書いた角田光代さんの紹介文によってです。
確か「ポケットに物語を入れて」という本だったように思います。
角田さんはこの作品を読み終えたあと、モロッコ行きの航空券を買って1か月後には本当にモロッコを旅したそうです。
本はときに誰かに見えない力を与えるものだなと思うのですが、文筆を生業とする人にここまでの影響を与えてしまう本というのもすごいし、一体どんな本なんだと思いました。
本を読んでの印象は、著者の見たモロッコはものすごくまぶしいものということがものすごく伝わってきます。
また、著者自身にもものすごく影響を受けたんだろうなと思いました。
見るものすべてが記憶していたい、というのはおそらく相当自分のこれからの人生に影響を与えるものだというトーコの経験則によるものですが。
そして、これが1番大切なことかもしれません。
同じモロッコを旅しても、大竹さんの旅、角田さんの旅、トーコ自身もモロッコに行っていますのであれですがトーコの旅、おそらく同じ場所を見たとしても感じ方はおそらく違うということです。
でもそれが旅です。どう感じるかなんて個人の自由。
わたしにとってのモロッコは、客引きが多すぎるし、しつこいし、日本人=お金持ちだから狙われるのいいイメージなんぞほぼありませんが、たまにいい人がいる国。
そんなアラブ人たちとの闘いの合間に見た景色はなかなか味わえませんし、フェズの雑踏はすごいです。あれは絶対日本では味わえない。
大竹さんの文章からはモロッコの空気感がすごく伝わってきます。
日差しのまぶしさ、風の感じ。懐かしいようで、なつかしくない感じ。
それはトーコの見た世界と大竹さんの感じ方の違いなのでしょう。
もしこの本を読む前にモロッコに行かなかったら、きっと感じ方は違うんだろうなと思いました。
■最後に
同じ場所を旅しても、現地での感じ方は人それぞれです。
この作品には、大竹さんのモロッコが書かれています。
すごく太陽のまぶしい、色鮮やかな世界が広がっています。
余談ですが、大竹伸朗さん、直島の「I♥湯」の方です。