こんばんわ、トーコです。
今日は、三浦綾子の「明日のあなたへ」です。
■あらすじ
人間は満ち足りていてほぼ不満がないのに、なぜ不満を真っ先に言うのだろう。
なぜ、感謝すべきことを先に言わないのだろう。
愛って、人生って、感謝って何、ということを著者の人生経験をもとに指南する本です。
■作品を読んで
著者の三浦綾子さんは、「氷点」でおなじみの方です。ちなみに「氷点」をもじったのが「笑点」です。
というか、この方かなり壮絶な人生を送っています。
著者は戦前から戦中に教師をしており、戦後2人の男性から同時にプロポーズをされます。
ところが、片方の男性と結納を済ませたのち貧血で倒れます。その貧血から結核になり、結核療養で13年間の入院を強いられます。
そんな中で前川という男性に再会し、著者を教会へ連れていくなどして病気にあきらめ気味の著者の心を前向きにさせようとしました。著者は前川さんをきっかけにキリスト教へ信仰しました。
が、前川さんも手術に失敗し、亡くなります。
前川さんが亡くなった後、夫となる三浦が現れ「前川さんのかわりに一緒に生きていこう」と言ったそうです。いつ回復するか誰もわからない状態で結婚を申し込まれたそうです。
幸運なことに病気は回復し、三浦と結婚することができたそうです。
これだけも別な話が書けそうですが、この話をしないとこの作品で綴られた言葉が生きてこない気がしたので。
というか、三浦さん「前川さんの深い祈りによって、私たち二人の今日がある」といってるのですから、すごい。
本当に神様を信じている人の言葉だ、と著者は言ってますが、この夫婦「いい夫婦の日」で間違いなく栄誉賞レベルの賞をもらってもおかしくはないです。
絆のレベルが深すぎる。生き返ってもこの2人はまた夫婦でしょうね、きっと。
そんな壮絶な体験があるからでしょうか、著者の言葉は驚くなかれのレベルで説得力があります。
絶望に打ちひしがれて立ち上がることが不能な時でも、信仰によって救われ続けた著者です。
絶望がいつのまにか希望に変っているということがある。それは誰の上にも言えることである。どんな時でも自分の人生を投げ出してはならない。
なんというか、体験しているから余計に説得力のある言葉。
投げ出してはいけないのです、自分の人生。自分の人生は自分のもの。
たった1回きりの人生ですからね。大切にしないと。
あと1つ。紹介するならこれ。
私たちは、自分で自分を見捨てていけない。神が与えてくれたこの自分を、自分が愛さないで誰が愛するであろう。多くの可能性を秘めたこの自分を、より愛して生きようではないか。
新年早々(書いている時期2020年3が日)それでいいのかもしれません。
考え方を変えてしまう。その方がいい気がします。そんなきっかけをくれる書です。
何か実践したくなります。その方がきっと人生いい方向に向かえそうだから。
1歩踏み出せそうですね。
■最後に
ここで紹介しきれないほどさまざまな言葉が記されています。
著者の壮絶な人生があったからこその言葉です。何か実践したくなります。
考え方が変わる、その1歩が踏み出せそうな気がします。