ある読書好きの女子が綴るブック記録

このサイトは年間100冊の本を読む本の虫の女子がこれから読書をしたい人向けに役に立つ情報を提供できればなと思い、発信しているブログです。

小説 文庫本

【素敵な続編】206.『キラキラ共和国』著:小川糸

投稿日:1月 1, 2020 更新日:

こんばんわ、トーコです。

今日は、小川糸の『キラキラ共和国』です。

キラキラ共和国 (幻冬舎文庫)

 

■あらすじ

鎌倉で文具店兼代書屋を行う鳩子の元には、さまざまな境遇の人からの代書の依頼が絶えない。

その一方で、バーバラ婦人をはじめとしたご近所さんや、新しく家族となったモリカゲさんとQPちゃんとの日々も描かれています。

 

■作品を読んで

前作「ツバキ文具店」の続編です。ずいぶん前に「ツバキ文具店」の紹介をしていますので、よかったらどうぞ。

74.「ツバキ文具店」著:小川糸

前作の登場人物はそのままに、モリカゲさんとQPちゃんが家族として仲間入りしました。

始めは別居でスタートしていた新しい家族生活も、モリカゲさんのお店の移転を機にツバキ文具店の母屋で同居することになります。

モリカゲさんの実家に行って、家族として受け入れてもらえたころから同居は考えていたみたいですが。

なんだか、家族が徐々に家族になる様子を見ることができます。

ほほえましいですし、家族っていいんだなと思ってしまいます。

他にもですが、おいしいものを自分1人だけで食べているときのこと。

おいしいものをおいしいねと楽しめる相手がいないことに寂しさを感じる鳩子がいました。

今までは1人でも寂しくなかったのに。心境の変化でしょうかね。

こんな時に、鳩子はモリカゲさんに言われた言葉を思い出します。

失くしたものを追い求めるより、今、手のひらに残っているものを大事にすればいいんだって。

実はこの言葉、前作の「ツバキ文具店」でも取り上げています。

その時は、先代との関係をうまくとらえることができなかった鳩子にとってはすごく響く言葉でした。

でも、今作ではQPちゃんの生みの母でモリカゲさんの前妻の美雪さんの遺品をどうするべきかを悩んでいる時にこの言葉を思い出しました。

美雪さんという存在は、新しい家族になるために必要な、というか乗り越えないといけないポイントでもありました。

でも、そこは上手く乗り越えます。否定をするのではなく、感謝やひょっとしたら友情だってあり得たのかもしれない。

同じ男の人を好きになることができたのだから、きっと共通ポイントが見つかって友情だって芽生える。

なるほどなあ、と感心します。

 

他にも、前作と同じくさまざまな登場人物が登場します。

お隣のバーバラ婦人。バーバラ婦人は時にQPちゃんの良き遊び相手にも変身します。

男爵とパンティーに子供ができました。でも、男爵に病気が見つかって鳩子に遺書を書いてほしいと依頼します。とはいえ、男爵だって幸せなはずです。

さて、鳩子は男爵の遺書をいつ書くのでしょうか。

他にもさまざまな事情を抱えた人からの代書の依頼があります。

ツバキ文具店は忙しくも、日々を確実に過ごしています。

そうやって、月日が経つのが一番いいのですが、なんだか日々バタバタしている身からするとこの作品のように静かに淡々と感がうらやましいです。

一体どうすれば実現するのでしょうかね。

 

■最後に

「ツバキ文具店」のみなさまが帰ってきました。今度は新しい家族とともにです。

少しずつ家族に近づいていく様子は、非常にほほえましいです。

登場人物たちもお変わりなく、穏やかな気持ちになれる作品です。

 

-小説, 文庫本,

執筆者:


  1. […] 74.『ツバキ文具店』、163.『サーカスの夜に』、206.『キラキラ共和国』、237.『洋食小川』 […]

comment

関連記事

【作家の読んだ本】272.「物語の海を泳いで」著:角田光代

こんばんわ、トーコです。 今日は、角田光代の「物語の海を泳いで」です。 物語の海を泳いで   ■あらすじ 小説を書く人の選ぶ本って一体どんな本なんだろう。 ここには、新聞や雑誌で掲載された著 …

【身近な問題】431.『日本のコメ問題』著:小川真如

こんばんわ、トーコです。 今日は、小川真如の『日本のコメ問題』です。   ■あらすじ 日本の歴史上米不足に悩まされていたのが常でしたが、1967年自給自足米の自給自足が叶いました。 しかし、 …

【憂愁が漂う】148.「太陽は気を失う」著:乙川優三郎

こんばんは、トーコです。 今日は、乙川優三郎の「太陽は気を失う」です。 太陽は気を失う (文春文庫)   ■あらすじ たった一瞬の偶然と、男と女の終わりの瞬間、出会った人間の直後の死、人生の …

【禁断の恋】213.『ゆらやみ』著:あさのあつこ

こんばんわ、トーコです。 今日は、あさのあつこの『ゆらやみ』です。 ゆらやみ (新潮文庫)   ■あらすじ 女人禁制の間歩と呼ばれる石見銀山の坑道で生まれたお登枝は、育ての親とともに置屋で生 …

【悩める女子へ】283.『三十路女は分が悪い』著:壇蜜

こんばんわ、トーコです。 今日は、壇蜜の『三十路女は分が悪い』です。 三十路女は分が悪い   ■あらすじ やることも、考えることも多く、年齢的にも甘えられない。それが三十路女。 そんな30代 …