こんばんは、トーコです。
今日は、畑村洋太郎の『失敗学のすすめ』です。
■あらすじ
「失敗は成功の母」と言われますが、日本人の傾向としては「失敗=悪」ととらえ、なかなか失敗を認めない人が多いように思います。
この作品は失敗を認め、次につなげるための失敗との付き合い方を解説します。
■作品を読んで
失敗学は、著者の畑村さんたちによって提唱された学問(?)です。
なので、失敗の原因分析や改善を行うための理論も当然ながら科学的な理論に基づいています。
ちなみに失敗学会というものもちゃんとあります。かなり学問の体系を整えています。
失敗学も少しずつですが、認知度は高まっているようです。
「失敗学」の趣旨は、失敗の特性を理解し、不必要な失敗を繰り返さないことと、失敗から人が成長させる新たな知識を学ぶことです。
はあ、何を当たり前のことを…とおっしゃる方もいるかもしれません。そう言う方に限ってなんか舐めている気がしますが。
失敗のとらえ方って、まず「やってしまった、ああ恥ず」と思う方が多い気がします。
おどけて言うくらいなら別にいいですが、問題はそれを隠すことと、反省しないし、生かさないことです。
ましてや、この世知辛い現代社会。変化の激しい時代で、失敗をする暇なんぞどこにもないわ、と思う方もいらっしゃるでしょう。
トライ&エラーなんて言いますが、失敗を生かすということと同義です。
ここで、「ハインリッヒの法則」をご存知でしょうか。1件の重大事故の陰に、29件のかすり傷みたいな小さな事故があり、さらにその陰に300件のヒヤリハットがあるという法則です。
逆を言えば、重大事故が起こる背景には放っておいたら失敗も成長するのです。
ということは、300のヒヤリハットのうちに対策を打って、失敗の成長を止め、事故の目を摘まなければならないのです。失敗の予兆を見つけます。
これは覚えておいて損はないです。実生活でもそんな場面が数多くあるでしょう。
是非生かしてください。これは絶対に使える知識です。
また、失敗情報は知識化して共有をするかと思います。
注意事項は、失敗の当事者から話を聞くときは決して批判をしないようにしましょう。
記録としてあくまで聞くだけで、当事者は批判や責任追及を恐れています。なんでそーしたの、と聞きたい気持ちは顔に出さないようにしましょう。
話をしてもらえなくなって、失敗情報の共有化ができないことの方がよっぽどこの場合は重要ですから。
まだまこの作品取り上げたい箇所はたくさんありますが、最後に1つ。
この作品では、全体を知ることの大切さを説いています。
自分が携わる仕事がどんなものか、どうかかわってくるのかといった全体像を知ることができます。
全体を体験できることで、どんな過程で進められているか、どんな知識が必要かという問題まで理解が深まるというのです。
確かにトーコの会社でも、個々人が個々人の仕事しか見ていなくて、全体を考慮しないでいたら最終的な作業に必要な仕事量に対して、結構な値段のお金が回収できないという事件がありました。
はあ、ちょっと脱線気味ですが、誰か全体像を見て音頭取って調整しようぜ、と思った1件です。
失敗は正しく分析して、次に生かしてそのうち成功しましょう。
■最後に
失敗との向き合い方について書かれた本です。
失敗を恥じるのではなく、正しく分析し、失敗情報を知識化し、皆で共有する方向にもっていけばきっとうまくいきます。そうすれば、いつかは成功します。
どうすれば失敗は成功の母になるかを知ることができます。