こんばんわ、トーコです。
今日は、岸見一郎の『アドラーをじっくり読む』です。
■あらすじ
著者の岸見一郎さんは、『嫌われる勇気』でおなじみの方です。この方はもともとアドラーの心理学を研究している方でもあります。
この本では、よりアドラーを知るためにアドラーの原著をもとにアドラーについての誤解を解いていきます。
■作品を読んで
「まえがき」で、『嫌われる勇気』を読んだ読者からの感想の一部にアドラーに対する誤解があったことから、誤解を解くためにこの作品を執筆したそうです。
アドラー心理学自体は多くの人に誤解を与えやすいことは著者もわかっていたと思うのですが、誤解を解くために出版したということは、相当数の読者が誤解しているように見受けられたのでしょうね。出版する理由は、ひょっとすると違う理由があるのかもしれませんが…。
一言で言うと、『嫌われる勇気』のような感じの本というよりは、アドラーについてより専門的に書いていると思います。正確に言えば、専門に入るための入門書というところです。
ただ、アドラーについて新書サイズの専門的な入門書というのがなかなかないので、ちょうどいい本です。
この作品では、アドラーの著作から要点をかいつまんで内容を解説しています。
アドラーの著作は15作あり、うち12作が日本語訳で読むことができます。が、一般人はなかなかアドラーの著作を読まないと思います。
そんな時に役に立つ、入門的な解説書。それがこの作品。
また、アドラーの生涯についても簡単ですが、知ることができます。
アドラーはもともと大学で研究をしていましたが、学説上の対立から学会をやめ、個人の診療所を設立しました。
アドラーの凄いところは、一般の人にわかる言葉で心理学を説明したことです。著作もその影響を受けています。著作も一般聴衆向けの講義をもとに作成されたとか。
なかでも、公開カウンセリングでカウンセリングしちゃうという今ならプライバシーだかんやで言われかねないことも平気でやっています。これもアドラーはちゃんと目的を持っています。
トーコが1番いいなあ、と思ったのは、勇気づけの理論ですね。
貢献することを知り、自分には価値があるということを理解することで、子どもたちは勇気を持つことができ、自分の課題に取り組むことができる、というもの。
なるほどなあ、と思います。勇気を持ちましょう。周囲は周りの人間に勇気を持てるような環境を作りましょう。
これが分かって実行すれば、少なくとも鬱病と過労死がだいぶ減ると思うのはトーコだけでしょうか。
■最後に
アドラーは相当ブームになりましたが、誤解して理解されていることに気が付いた著者が補足として書いたものです。
補足といっても、アドラーの著作にかなり突っ込んでいますので、非常に専門的な入門書でもあります。
アドラーに興味を持ったら読むべき本です。