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小説

【元気の出る本】142.「幹事のアッコちゃん」著:柚木麻子

投稿日:1月 6, 2019 更新日:

こんにちは、トーコです。

今日は、柚木麻子の「幹事のアッコちゃん」です。

幹事のアッコちゃん

 

■あらすじ

アッコ女史が大活躍するシリーズの最終巻。この作品は初めてすべての作品でアッコ女史が登場します。

忘年会のプロデュースしたり、アッコさんに敵意むき出しの記者を変えたり、永遠の部下澤田三智子を平日の夕方に強制的に習い事に参加させたり。

さて、どうなることやら。

 

■作品を読んで

アッコちゃんシリーズの最終巻。これまでに2作品紹介しましたので、よかったらこちらも参照してください。

136.「ランチのアッコちゃん」137.「3時のアッコちゃん」

第1話は、忘年会の幹事をやる羽目になったイマドキ新入社員に対して、忘年会の極意を伝授します。

イマドキ新入社員を見て、確かに忘年会ってめんどくさいんですよね。なんでそんなものをやらなアカンの、と。酒が飲めないのでますますそう思うんです。

アッコ女史が言うには、幹事が忘年会を楽しむこと。自分のフィールドにみんなを引き込めばいい。結構、賭けだなー、と思いますが。とにかくなるほど、と感心してしまいます。

やっぱり、これまで通り5日間の忘年会プログラムに参加し、新入社員クンは見事に変わります。

彼の長所(?)である、先を読む力と自分の世界を持つ強さがあるから、それを生かした形で忘年会の会場をうまく見つけます。結果は、さてどうなったでしょう。

第2話は、アッコ女史と同じくあだ名がアッコちゃんというwebページの編集者がアッコ女史のところにインタビューにやってきます。

この編集者のアッコちゃん、アッコ女史にいい感情を持っていません。

でも、彼女は最後に理解します。アッコ女史はアッコ女史。彼女は彼女。誰にも嫌われない人というのはほとんどいません。アンチであってもいいのです。

多分ですが、これが理解できると多少生きやすくなります。誰にも嫌われる人はほとんどいないなら、全員に好かれなくてもいいのです。

なんというか、第2話はアンチとの肯定的な付き合い方を見ることができます。

第3話は永遠の部下三智子が主人公です。

三智子は現在会社でチームリーダーになり、仕事で忙しく、帰宅時間が遅くなっています。

それを聞いたアッコ女史は三智子に5日間アッコ女史のお稽古に付き合うことになります。

三智子は少しずつですが、気が付きます。早く帰るためにどう時間を使うか、本来であれば見直すべき不要な慣習があるのではないか。

多分1番の決定打は、自分が早く帰るためにはチームメンバーも巻き込まないといけない。

自分の帰りたいときと部下のどうしても外せない予定をすり合わせて協力して仕事を終えていく必要がある。そこに遠慮はいりません。

多くの組織がこの事実に気が付けば働き方改革は進むと思います。個人の時間の使い方といかに人を巻き込むかが働き方改革成功の鍵でしょうね。

アッコ女史はお稽古をする理由は、プロから何か知識や技術を吸収する心地を忘れないようにするためです。

ある意味で謙虚な姿勢を忘れないようにするためですね。はあ、見習いたい。

第4話は結構衝撃的な作品です。アッコちゃん一体どうする。

なんだが、アッコ女史には背中を押されます。なかなかのアッコ節が炸裂しています。

自分の生活を見直したくなるし、勇気が持てそうな気がします。

 

■最後に

全編にアッコ女史が登場するシリーズ最終巻です。これで今のところアッコちゃんシリーズ最後です。

アッコ女史に背中を押された登場人物たちが少しずつ変わっていくのを見て、自分も変わることができるのではないかと思えてきます。

変わりたいと思う人はぜひ読んでみてください。

 

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