こんばんわ、トーコです。
今日は、兼高かおるの「わたくしが旅から学んだこと」です。
■あらすじ
あなたは、「兼高かおる 世界の旅」という番組をご存知でしょうか。
この番組は1959年から1990年まで31年間続いた番組です。
この番組にナレーター、レポーター、ディレクターなどの役割を務め、取材した国は約150か国と、人生のほとんどを旅に費やした著者の振り返りです。
■作品を読んで
著者の存在は、困ったことに著者が亡くなったニュースで初めて知りました。
そりゃそうです。番組が終わった年にトーコは生まれましたから。知るわけがありません。
読んでみると、今のテレビ番組でこんな豪華な番組ができるのだろうか、と思わせるものがあります。
なんてったって、外国の要人に会っちゃるんですからね。チャールズ皇太子、ダリ、ケネディ大統領。そりゃ、国の代表ですわね。
あとがきでヤマザキマリさんが、日曜日の午前中の放送される時間は何があっても見ていたというエピソードがあるように、トーコは実際に「兼高かおる 世界の旅」を見たことがないですが、おそらく面白い気がします。
多分ハマると思います。おそらく、この番組は変に台本がなく、兼高かおる本人の生の言葉での旅番組な気がします。
今どき生の言葉で話す番組なんてないと思いますし、なんといっても自分で映像を編集してるのですから、完全自分オリジナル。
ベストテンが再放送されてるなら、これも再放送してもいい気がする。30年分は1586回分らしいので、毎日放送しても今年には終わりませんよ…。
そんな番組を作っていた人の振り返り本。
そりゃもちろんですが、著者にとっては人生はほとんど仕事で旅だった、と言い切れるでしょうね。
ただ、当然なのかもしれないですが、結婚する間がなかったと思います。
結婚に飛び込めませんでした、空には飛び込めたのに、という下りがあるのですが、そうだろうな、と。
でも、あまり後悔していなさそうだし、何より結婚していたら世界の旅はないくらいに割り切っていたのがいいなあ、と思いました。
人生それでもいいんだな、と。でもできるときにしておけという言葉が年齢のせいか妙に刺さります。
同時に人生にはたくさんの選択肢とボタンの掛け違いに満ちているんだな、と思います。
人生これしかない、って信じ込まずに、来てしまったらチャレンジしてみようと決意することができました。
テレビ番組は著者が登場するのがメインではないので、化粧をしていなかったと述べています。それはそれですごいけど。
ただ、シミに悩まされたたので、日焼け止めは塗った方がいいみたい。
なので、どんなに化粧をしなくても日焼け対策だけは絶対にしようっと。
それにしても、この人は本当に唯一無二の人な気がします。
この今どき珍しい山の手言葉でしゃべり、きっと毎日が目まぐるしかったはずなのに、すごくゆったりと話す感じがいい。
文章から人となりが伝わってきます。やっぱりこの番組見てみたい。
本当余裕がないと何もできなくなるんだな、って気がします。
余裕がアイデアを育てるって言ってましたが、本当だと思います。
これまでの経験上、余裕のない人がいいアイデアを持ってません。というか、話が詰まらない。
本当にいろいろな発見がある作品です。
■最後に
文字通り、仕事=旅だった著者のこれまでを振り返って学んだことが書かれています。
普通の人からはうらやましい限りですが、映像として届けるまでの裏話やいろいろな苦労はあったようです。
そして、文章から著者の人柄がよく伝わってきます。