ある読書好きの女子が綴るブック記録

このサイトは年間100冊の本を読む本の虫の女子がこれから読書をしたい人向けに役に立つ情報を提供できればなと思い、発信しているブログです。

新書 社会

【知識を得る本】2.『日本を愛した植民地』著:荒井利子

投稿日:3月 29, 2017 更新日:

こんばんは。トーコです。

さて突然ですが、パラオは昔敗戦まで日本の委任統治領だったことをご存知ですか?

おそらく日本史でうっすら出てきた様な気がしますが‥。知識レベルで考えると相当おぼろげ。

しかも、支配されていたにもかかわらず、かなりの親日国というかなりすごい国。

一体なぜ‥。

そんな不思議がいっぱいのパラオについて取り上げたのが、荒井利子の『日本を愛した植民地 南洋パラオの真実』。

日本を愛した植民地 南洋パラオの真実 (新潮新書)


■あらすじ

パラオの歴史について解説。明治時代になると元武士たちがミクロネシアでの貿易事業にに従事する。

日本がパラオを委任統治領としたのは第一次世界大戦終戦後。それからミクロネシアに貨幣経済と豊かさをもたらし、日本人の移住も増加する。

第二次世界大戦になるとミクロネシアは激戦地になり、甚大な被害を受ける。

戦後はアメリカが統治するも、幸せをもたらすことなく、むしろ日本統治時代よりも貧しくなる。

戦争を経験した世代からは「それでも日本統治時代の方が良かった」という言葉もあるとか。

 

■作品を読んで

パラオという国は本当に珍しいと思う。戦後70年経過していてもなお、「日本人はいい人だ」と言ってくださるのだから。歴史問題で幾度も問題になってネガティヴに騒ぐことが多いのに。

要因として挙げるなら、

・パラオに日本人が住み、パラオ人ときちんと友情を築いたこと

・教育、インフラ、経済、文化を整備し、日本人と同様に豊かさを享受できた時代があったこと

・アメリカの統治がお金をばら撒いているだけで、自由はもたらしたが、人々の働く気を起こさせないし、産業があまりにも発展していないこと

もちろん他にも要因はありますが‥。

また、パラオに日本人の移住者がたくさんいたことは今までなかなか知る機会がありませんでした。

この本には日本人移民についても書かれています。

ちなみに山月記を書いた中島敦はパラオに赴任し、南洋庁というお役所に勤めていました。

 

■最後に

パラオについてより深く知ることができたのと、植民地だった国で日本人がたくさんのものをもたらしていたこと、日本人移民がたくさんいて、現地の人と友情を築いたことがわかりました。

本を読み終わった後、パラオに行きたくなりました。過去の姿と現在の姿をこの目で見たいと思いました。この事実はもっと多くの人に知ってほしいなぁと思うのでした。

 

-新書, , 社会

執筆者:


comment

関連記事

no image

【死者との旅】9. 『岸辺の旅』 著:湯本香樹実

こんばんは、トーコです。 今日は湯本香樹実の『岸辺の旅』です。 岸辺の旅 (文春文庫)   ■あらすじ 3年間失踪していた夫(優介)が帰ってきて、いなかった間どうしていたかを話して欲しいと言 …

no image

【学ぶを知る】75.「学び続ける力」著:池上彰

こんにちは、トーコです。 今日は池上彰の「学び続ける力」です。 学び続ける力 (講談社現代新書)   ■あらすじ テレビや雑誌でおなじみの解説のわかりやすさに定評のある池上さんが、学び続ける …

【憂愁が漂う】148.「太陽は気を失う」著:乙川優三郎

こんばんは、トーコです。 今日は、乙川優三郎の「太陽は気を失う」です。 太陽は気を失う (文春文庫)   ■あらすじ たった一瞬の偶然と、男と女の終わりの瞬間、出会った人間の直後の死、人生の …

【自然を感じる】121.「魔法のことば」著:星野道夫

こんばんわ、トーコです。 今日は星野道夫の「魔法のことば」です。 魔法のことば (文春文庫) ■あらすじ 著者である星野道夫という人をご存知でしょうか。彼はクマに襲われるまでアラスカに住み、アラスカの …

no image

【甘さと苦さが共存する本】12.『無伴奏』 著:小池真理子

こんにちは、トーコです。 今日は小池真理子の『無伴奏』です。 無伴奏 (新潮文庫) ■あらすじ 1960年代の学生紛争が盛んだった時代の仙台。主人公の響子も例にもれず、不良っぽくデモや集会に参加してい …