ある読書好きの女子が綴るブック記録

このサイトは年間100冊の本を読む本の虫の女子がこれから読書をしたい人向けに役に立つ情報を提供できればなと思い、発信しているブログです。

戦国モノ 文庫本 時代小説 歴史

【女の生き様・歴史小説】44.『冬姫』著:葉室麟

投稿日:5月 11, 2017 更新日:

こんばんわ、トーコです。

今日は葉室麟の『冬姫』です。

冬姫 (集英社文庫)

■あらすじ

舞台は戦国時代。

冬姫は、織田信長の娘として生まれました。

母親は産後の肥立ちが悪くそのまま亡くなったとされていて、形見にきれいな水晶の数珠を残しており、冬姫はその数珠を大切にしていました。

やがて美しく育った娘は蒲生氏郷のもとに嫁ぐ。

お家のために生まれた子供を人質に隣国に差し出したり、それが原因で女同士の様々な諍いの絶えない世の中だが、強くたくましく、ひたむきに生きる姿を描いた小説です。


■作品を読んで

信長の子供の名前はかなり変な名前が多いが、その中でも唯一まともな名前の冬姫が主人公。

夫の忠三郎は婚約者となったときのこと。時を同じくして乳母のいおが何者かに殺されます。

その時の犯人を探しを手伝い、犯人によってばらばらにされた数珠をまた見つけて繋いでくれたのは、忠三郎でした。

それからずっと冬姫はきっとこの人なら大丈夫と確信し、ずっとついていくことを決心します。

年齢は忠三郎14歳と冬姫12歳。すごい、これが当時の普通とはいえすごい…。

幼さが残るのに家を守り、家のために嫁ぐのだから本当にすごい世の中…。

ここから乱世を生き抜くための本当の戦いが始まります。

男は武器を持って戦いますが、女の場合は心の刃を研ぎ澄まして戦うのです。それは乳母いおの言葉です。

だから女の人って観察力に関しては男の人よりもはるかに優れているのでしょうか。

やがて冬姫の母が分かったり、信長の死がやってきたり、夫がキリシタンになったり、豊臣から徳川の世になったり。

それでも織田家を支え、夫や婚家家族を支えていく姿はすごいです。

これが冬姫にとっての戦でしょうか。

物語の最後で蒲生家は江戸時代が始まってすぐに男子がいなくなってしまったため、お取り潰しに遭いました。蒲生家の行く末を見守った冬姫はそれから7年後に亡くなりました。

■最後に

乱世の世を生きる姿はとてもかっこよく、そして美しくです。

女という立場は男と同じ立場ではなかった時代に生き抜くというのはとても大変なことです。

冬姫は氏郷とともに生きていきました。

相手を信じ、受け止め、共に生きることができればいいのでしょう。

すごく難しいですが。

 

-戦国モノ, 文庫本, 時代小説, , 歴史

執筆者:


comment

関連記事

【不思議なタイトル】482.『起きられない朝のための短歌入門』著:我妻俊樹 平岡直子

こんばんわ、トーコです。 今日は、我妻俊樹、平岡直子の『起きられない朝のための短歌入門』です。 起きられない朝のための短歌入門 posted with ヨメレバ 我妻俊樹/平岡直子 書肆侃侃房 202 …

【ある家族の肖像】428.『小暮写眞館』著:宮部みゆき

こんばんわ、トーコです。 今日は、宮部みゆきの『小暮写眞館』です。   ■あらすじ 高校生の花菱英一は、古い写真館付きの住宅に引っ越すことになる。変わった両親もここまで変わっていたかと何とも …

【かわいい妖怪と最弱の主人公】111.『ちんぷんかん』 著:畠中恵

こんばんわ、トーコです。 今日は、畠中恵の『ちんぷんかん』です。 ちんぷんかん しゃばけシリーズ6 (新潮文庫)   ■あらすじ 薬問屋の若だんなこと一太郎は、薬種問屋の跡取りにして、超が付 …

【偉人の言葉?】331.『一切なりゆき~樹木希林のことば~』著:樹木希林

こんばんわ、トーコです。 今日は、樹木希林の『一切なりゆき~樹木希林のことば~』です。 一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書)   ■あらすじ 2018年9月に女優・樹木希林は亡くなり …

【偶然の力】447.『セレンディピティ 点をつなぐ力』著:クリスチャン・ブッシュ

こんばんわ、トーコです。 今日は、クリスチャン・ブッシュの『セレンディピティ 点をつなぐ力』です。   ■あらすじ 突然ですが、「運」と「努力」が結びつくことができると言われたら、どう思いま …