こんばんは、トーコです。
■あらすじ
校舎の取り壊しが決まった地方の高校が舞台です。
そこで様々な思いを持つ少女たちが卒業式に臨みます。
■作品を読んで
この本は少女たちをめぐる群像劇です。
とにかく、卒業式1日の中に様々なドラマが詰まっています。
登場人物も様々です。亡くなった恋人が忘れられなかったり、帰国子女でなかなかなじめずにいたときに助けてくれた男の子に別れを告げたり。
なんというか、著者は観察がうまいなあと思いました。感情がかなりリアルなんですよね。
卒業の日から歳月がたっていますが、この情景はありありと浮かびます。
朝井リョウさん、男性でしたよね‥。
女の子の気持ちがよく判るなあと感心しました。
社会人になったいまのトーコには、卒業式を通り過ぎてしまい、もう振りかえることしかできないけど、この短編の中の少女たちの気持ちが過ぎ去った思い出と重なっていて、けっこうドキッとしました。
■最後に
読後、「懐かしいけど、もう戻れない。でもこの出来事があったからこその今があるのでは」と思い、また頑張れそうな気がします。
卒業式は誰しも1度は通るものです。この作品はリアルな感情を見事に描写しています。
ちょっと振り返ったり、忘れていた昔を思い出すのにいいのかもしれません。