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ことば 詩歌

【豊かな言葉】313.『どこからか言葉が』著:谷川俊太郎

投稿日:8月 8, 2021 更新日:

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こんばんわ、トーコです。

今日は、谷川俊太郎の『どこからか言葉が』です。

どこからか言葉が

 

■あらすじ

日々の生活から浮かび上がってくることばの数々。

朝日新聞で月1連載されている詩(50編)をまとめた作品集です。

 

■作品を読んで

あらすじ書きに困りました。さて、なんと書けばよいのやら、と。

そこで、ア〇ゾンのレビューを拝見しましたところ、こんな意見がありました。

要約すると、現実の世の中は責任逃ればかりしていて、この詩集で止めることができたのか。この言葉にチカラも意味もない気がする、と。

なんか、すごく言いたいことがあるので、言います。言葉にチカラも意味もありますよ。

この言葉1つで救われている人、助けられている人、励まされている人、何らかのきっかけをつかむ人あるいはつかみなおす人、様々な人がいるはずです。

確かに、詩集1つで政治家のわけのわからない言動を止めることは出来ませんし、著者もそこまでの意図を持っていないはずです。それでも、言論の自由は保障されているので、こうして詩集を出すことができますし、私たちは読むことができます。

えーっと、冒頭のア〇ゾンのレビューはレビューになってないです。まあ、個人の考えなので自由なのですが。

脱線しすぎました、すみません。それでは、作品について述べます。

まず、最初の詩がまさかの事情説明に。

のっけから、ヘッドホンやウェブ、ワードという言葉が流れてきます。

教科書に載っているような古い人(御年90歳)がまさかヘッドホンを使ってバッハを聞き(バッハを聞くのはイメージ通りだ)、インターネットの閲覧を終え、ワードを使って創作している(今時はそうだろうよ)、というのにちょっと驚きます。

それから、これから月に1回詩を連載するという事情を話します。どんな内容を書けばいいのか、とりあえず独りよがりのみっともないものは避けたいと意気込みを語ります。

このちょっとゆるい決意表明の詩を書いている小屋は著者よりも年上なのだとか。この小屋で60年以上前に自作の詩を書いていたようです。

陽は絶えず豪華に捨てている

夜になっても私たちは拾うのに忙しい

人はすべていやしい生まれなので

樹のように豊かに休むことがない

太陽は燦燦と輝いて、日が沈むころに時には雄大な夕日を見せながら日は沈む。一方、人間はと言えば、夜になっても明かりをつけて活動している。この前半の部分はトーコなりに解釈すると、です。

後半はさすがやなと思います。

樹のように豊かに休むことがないというのは、地面に張ってる木々はそよ風で葉を揺らしながらゆったりとしている情景なのだと思います。人間はと言えば、休むことなくせっせと働いているのでしょう。

おそらく、老境を(失礼ながら)を迎えている詩人が60年前の作品をふと見て、自分の状況もあんまり変わっていないことを暗に示しているのだと思います。トーコなりに解釈すると、です。

樹のように豊かに休むことがないと言いながら創作活動ができている谷川俊太郎を尊敬します。90歳過ぎたらなるべく豊かに休みたいですわ…。

1番嫌なパターンは金がないと嘆きながら生きてることでしょうか、ね。

それにしても、まさか状況説明も詩になるのだからまあ、びっくりだ。

毎月1回の連載なので、たまにこれは何月あるいは何の季節に出しているのかがわかる詩もあります。

例えば、「雪ノ朝」という詩。カタカナが混じっていて、現代の人間からすると非常に読みにくいのですが、雪の日の情景を描いています。

なんというか、関東地方の子どもにとって雪は滅多に降らないものだから大はしゃぎするものです。

しかし、大人になり会社への通勤とかがある人にとっては実は結構厄介なもの。

トーコの話ですが、雪の時は無理してこなくてもいいんだよ、とおおらかなことを言ってくれる会社ではありました。無理してくるくらいなら、有休にして仕事はまた明日ということで許されるのならそれでいいんだろうな、と思います、今なら。当時はびっくりでしたけど。

でも、本来は違います。何が何でも会社に行く人の方が大多数です。(今でも雪の日とかで駅に入れないとか見たら、その労力をほかに振り分けた方がいいと本気で思うが)

でも本当はいつもと違う景色になっていて、子どもはそれに気が付いているから大はしゃぎなのですが、大人にはそんな余裕がありません。

この詩はどちらかと言えば子どもの目線です。自由に動き回れて、時間をまたいで雪の日の情景をうっとりしています。

なんだか、羨ましく、微笑ましい情景なのに、いつの間にか大人になると忘れてしまうのです。その事実に、ちょっと愕然としますが。

「名なしのごんべえ」という詩では、名前を持ち、何者になっていることを振り返ります。

というか、著者は大昔に、いのちの名はただひとつ名なしのごんべえ、という詩句を残しています。

それからの詩で振り返ることで、きっと美辞麗句だったのではないか、と考えます。以下は、最後の詩を締めくくる言葉です。

いのちに渇きながら私はヒトを生きる

名にこびりついた垢をこそげて

分かるわ、でもトーコの場合はまだ垢だらけだわ…。ヒトを生きれてないのか…。いつか、垢がこそげ落ちるような生き方ができればいいわ。

 

■最後に

時に言葉によって、世の中を変える力はきっとあるかもしれません。けど、この作品はそういう類のものではないです。

どちらかというと、生きるために誰かの支えになるような言葉が並んでいると言っても過言ではないです。

誰かを支える言葉を創れる人の存在も非常に貴重なものですし、こうして生きることに対して励まされていることだってあるのです。

 

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