こんばんわ、トーコです。
今日は、最果タヒの「きみの言い訳は最高の芸術」です。
■あらすじ
詩人として活躍する最果タヒのエッセイ集。
エッセイは45本+文庫版のおまけ9本とあとがきと非常に豪華な内容です。
曖昧なものを曖昧なまま寄り添ってくれます。
■作品を読んで
たまーに著者の作品を読んでいると、この人本当に存在するんだろうかと思う時があります。
感情があまりにもリアルというか、近すぎて驚く瞬間が多々あります。
きっと生身の人間として存在しているのに、そう思えない不思議なものがあります。
だから、化粧品についてのエッセイを読んだとき、「あっ、この人普通に日本のどこかで生きているわ」と思いました。
新しい化粧品を試すときってすごくワクワクするんですよね。
化粧品って雑誌を読むとコンプレックスを隠す方法としての化粧法ばかり載っていますが、美容部員さんと話すとうまく自分の持っているものを生かしてくれます。
まあ、化粧品を欲しいと思わせるためでしょ、といわれればそれまでです。
が、思っている以上におおーとなることも多々あります。新しい発見があって、何か自分のメイクにも生かしたいなというものもあります。
その女性ならきっと理解してくれると信じたいのですが、知らなくても生きていけますが、知ればもっと輝けそうな気がする感じ。
それを見事に切り取ってくれたなあ、と。
もう1つ挙げるなら、これ。
夜更かしというのは明日の自分を前借りしているだけのことだ。
うわー、そうだー、って大多数の人が思っているような気がするセリフ。
夜更かししても、結局明日にはその分の疲れがのしかかっている。
結局夜更かしする意味ってないけど、ついついやってしまうあの感じ。
著者もついつい夜更かしをするみたいです。著者って意外と近いところにいるのかも。
最果タヒの言葉って、曖昧な時代の曖昧な人種のそろう日本ではすごく馴染む気がします。
例えばですが、何かを表現したくてもトーコ自身の語彙が足りなくて、あるいは表現力が足りなくてうまく表現できないことが多々あります。
けど著者の言葉は、心の中で表現しきれないモヤモヤを言葉を見事に掬い取ってくれる、そんな気がします。
だから、多くの人が共感し、支持するのでしょうね。
■最後に
おまけが増量したエッセイ集です。
心の中の言語化できないモヤモヤを見事に掬い取ってくれます。
言葉の尊さがすごく響いてくるような気がします。