ある読書好きの女子が綴るブック記録

このサイトは年間100冊の本を読む本の虫の女子がこれから読書をしたい人向けに役に立つ情報を提供できればなと思い、発信しているブログです。

エッセイ 文庫本 青春

【若き日のこと】211.『二十歳の火影』著:宮本輝

投稿日:1月 9, 2020 更新日:

Pocket
[`evernote` not found]

こんばんわ、トーコです。

今日は、宮本輝の『二十歳の火影』です。

新装版 二十歳の火影 (講談社文庫)

 

■あらすじ

自分の生い立ちや学生時代、就職してから小説家になるまで。

様々なテーマを題材にしたエッセイが詰められています。

 

■作品を読んで

幼き日の思い出やこれはきっとあの小説のネタに違いないというエピソードまで、様々なエッセイが収録されています。

1番印象に残ったエッセイはこちら。

家族の状況は決していいとは言えなかった少年時代の著者を救ったのは、本でした。

というか、これはリアルなエピソードなのかというくらいドラマティックなものです。

母が自殺未遂を起こした日に井上靖の「あすなろ物語」を読み、深く感動したそう。

それから図書館に通って本を読み漁り、やがて本が欲しくなる。

本を買うということは、一家の財政を考えるととてもほしいと言える状況ではないが、街中で古本10冊50円で売られているのを見た母親が買ってくれたそうです。

その10冊の本は1983年のころにはまだ著者の本棚にあったそうです。今もあるのかもしれませんが。

著者にとっての本は、父と母の諍いから逃避するためだったり、不良の乗るオートバイの代わりだったり、尻ポケットに入れるアクセサリーのようなものだっととか。

父と母の諍いから逃げるため、しかも押し入れの中で読んでいたとか。

本を開けば、その中の舞台や主人公が織りなす世界が広がっています。

わかります。トーコも昼休みによく本を開いてその中の舞台や登場人物たちがいる世界によく逃げています。

午前中にあった嫌なこと、イラっとしたこと、上司がクソすぎること、本を開けば8割くらいは吹っ飛びます。

トーコも読書で救われている瞬間が多々ありますが、最初にも書きましたが、ここまで本に救われている人ってなかなかいない気がします。

この人1歩間違えればグレて社会で生きるのも危うかったような気がします。

いつか「人間を変えるほどの感動」を与えるほどの作品を書きたいと語っていますが、トーコ的には「錦繍」でかなりやられました。一応リンク入れます。

23.「錦繡」

この作品は本当にすごいと思います。

書簡形式という謎の形で、お互いの過去、現在、未来を思いあうのですから。

また、大学時代について書いたエッセイは完全に「青が散る」ですね。これもリンク貼り付けます。

122.「青が散る」

実話と本人が言ってましたが、改めて読むと実話だー、という実感が出ます。

富山に暮らしていた、どうもあまりいい思い出がないという話も何となくピンときました。

これもトーコも取り上げています。

86.「田園発港行き自転車」

他にも、就職してから作家になるまでをテーマにしたエッセイもあります。

突然やめることを思い立ってから、「泥の河」の賞受賞まで紆余曲折はあったようです。

作品の中に非常に簡潔な履歴書に記載しています。

 

■最後に

作家の幼いころから作家デビューし、賞をとるまでのエピソードが詰まっています。

読書は人を救うし、まっとうな人間にすることがよくわかります。

著者の想いや人生がそこにはあります。

 

Pocket
[`evernote` not found]

-エッセイ, 文庫本, , 青春

執筆者:


comment

関連記事

【オリエントの世界】166.『東方綺譚』著:マルグリット・ユルスナール

こんばんわ、トーコです。 今日は、マルグリット・ユルスナールの『東方綺譚』です。 東方綺譚 (白水Uブックス (69))   ■あらすじ フランスの作家で、須賀敦子さんの小説を読んでいる方な …

【未来の姿】84.『超AI時代の生存戦略』著:落合陽一

こんにちは、トーコです。 今日は落合陽一の『超AI時代の生存戦略』です。 超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト   ■ …

【これからの日本】259.「日本企業の勝算」著:デービット・アトキンソン

こんばんわ、トーコです。 今日は、デービット・アトキンソンの「日本企業の勝算」です。 日本企業の勝算―人材確保×生産性×企業成長   ■あらすじ 著者が来日してから30年以上が経過しています …

【添乗員の仕事】360.『たまごの旅人』著:近藤史恵

こんばんわ、トーコです。 今日は、近藤史恵の『たまごの旅人』です。   ■あらすじ あこがれだった添乗員になり、様々な国を旅する。アイスランド、スロヴェニア、中国…。 しかし、2020年にな …

【失敗から学ぶ】189.「失敗の本質」著:戸部良一他編集

こんばんわ、トーコです。 今日は、戸部良一編集の「失敗の本質」です。 失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)   ■あらすじ 本書は、第二次世界大戦前後にあった旧日本軍にとって重要な …