こんばんは。トーコです。
さて突然ですが、パラオは昔敗戦まで日本の委任統治領だったことをご存知ですか?
おそらく日本史でうっすら出てきた様な気がしますが‥。知識レベルで考えると相当おぼろげ。
しかも、支配されていたにもかかわらず、かなりの親日国というかなりすごい国。
一体なぜ‥。
そんな不思議がいっぱいのパラオについて取り上げたのが、荒井利子の『日本を愛した植民地 南洋パラオの真実』。
■あらすじ
パラオの歴史について解説。明治時代になると元武士たちがミクロネシアでの貿易事業にに従事する。
日本がパラオを委任統治領としたのは第一次世界大戦終戦後。それからミクロネシアに貨幣経済と豊かさをもたらし、日本人の移住も増加する。
第二次世界大戦になるとミクロネシアは激戦地になり、甚大な被害を受ける。
戦後はアメリカが統治するも、幸せをもたらすことなく、むしろ日本統治時代よりも貧しくなる。
戦争を経験した世代からは「それでも日本統治時代の方が良かった」という言葉もあるとか。
■作品を読んで
パラオという国は本当に珍しいと思う。戦後70年経過していてもなお、「日本人はいい人だ」と言ってくださるのだから。歴史問題で幾度も問題になってネガティヴに騒ぐことが多いのに。
要因として挙げるなら、
・パラオに日本人が住み、パラオ人ときちんと友情を築いたこと
・教育、インフラ、経済、文化を整備し、日本人と同様に豊かさを享受できた時代があったこと
・アメリカの統治がお金をばら撒いているだけで、自由はもたらしたが、人々の働く気を起こさせないし、産業があまりにも発展していないこと
もちろん他にも要因はありますが‥。
また、パラオに日本人の移住者がたくさんいたことは今までなかなか知る機会がありませんでした。
この本には日本人移民についても書かれています。
ちなみに山月記を書いた中島敦はパラオに赴任し、南洋庁というお役所に勤めていました。
■最後に
パラオについてより深く知ることができたのと、植民地だった国で日本人がたくさんのものをもたらしていたこと、日本人移民がたくさんいて、現地の人と友情を築いたことがわかりました。
本を読み終わった後、パラオに行きたくなりました。過去の姿と現在の姿をこの目で見たいと思いました。この事実はもっと多くの人に知ってほしいなぁと思うのでした。