こんばんわ、トーコです。
今日は、中島みゆきの『片想い』です。
■あらすじ
中島みゆきの歌は初期のころは特にですが、暗いとか、失恋ソングの女王的なイメージで持たれがちですが、トークに関しては面白いです。
というか、歌のイメージと違うキャラクターすぎて、爆笑します。
そんな中島みゆきが様々な人とのインタビューを収録しています。
■作品を読んで
先に言いますが、この本は現在出版されていません。トーコは偶然にも古本屋さんで見つけました。
しかも、定価に限りなく近い。当時の定価480円で、買った値段450円。
ほぼ値崩れしてない。びっくり。古本屋さんって文庫本は大体安いのに。
なので、これから探す際は十分にご注意ください。
中島みゆきほど、本当に歌と実際の性格にこれほどギャップがある人はいないと思います。
あらすじにも書きましたが、月1でオールナイトニッポンが2013年4月から2018年9月までやっていたのですが、本当に面白かったです。
これを聞くのがかなり楽しみだったので、終わると言われた瞬間にはめちゃくちゃロスな気分になりました。
この作品に収録されているのは、1980年代に行った様々な人とのインタビューです。
所ジョージ、勝新太郎、糸井重里、春風亭小朝、松任谷由実などなど、豪華なメンツです。
ちなみに、所ジョージと春風亭小朝の若き頃の写真を見て、「若!」と突っ込みを入れてしまいました。風貌が結構この2人は違うから、「誰やこの人」と思いました。
インタビューは結構面白かったです。いたって真面目なはずなのに。
個人的に1番衝撃だったのは、この作品が出版された当時中島みゆきのキャリアはデビューから12年が経過していることと、デビュー時以上にいろいろと模索していた時期であったことでしょうか。
俗に言う中島みゆきの「ご乱心の時期」。作品の後ろの方にその苦労が書かれています。
それは著名人との対談ではあまり出てきません。垣間見ることはできるかもしれませんが。
出版当時中島みゆきの中で「今までのイメージにとらわれたくない」という思いが強かったのかもしれません。
そのために音を変えたい。というわけで、サウンドの作り方から変化せざるを得ない状況に身を投じたようです。
おそらく、現在に通じる最大の勝因はここかと思います。
悲しみを歌いたい、中島みゆき、悲しみを”暗さ”としてでなく、”不幸”を”あたたかさ”として歌うこと。
中島みゆきの歌を年代別に聞いてほしいのですが、70年代の「わかれうた」なんてまさに悲しみを暗さで歌っています。
でも、2000年代の「ヘッドライト・テールライト」は、不幸をあたたかく歌っています。
上記の選曲はトーコの独断と偏見で選んでいますが、わかりやすく一例を挙げるとこうなる気がします。
それにしても、12年目で音を変えるっている決断は、すごいです。
人間って慣れていて、居心地のいい場所から逃れようとしないので本当にすごいことだと思います。しかも、リスクの方が大きかったと思うのです。もうすでにある程度のキャリアがある中での挑戦だから。
その当時の全国ツアーの名前が「5番目の季節」。春でも夏でも秋でも冬でもない季節。
みゆきさん曰く、「ありもしない季節を探すこと自体が5番目の季節かもしれない」。
当時は相当苦悩していたのでしょうね。でも、今なら笑うんだろうな、きっと。
■最後に
著名人とのインタビューもおもしろいのですが、みゆきさんの苦悩が垣間見れます。
固定しているものを変えることは難しいことですが、そこで挑戦するのは本当にすごいことです。
笑いあり、苦労あり、マンがあり。なんでもありのレア本です。