こんばんわ、トーコです。
今日は、phaの『人生の土台となる読書』です。
■あらすじ
読書には2種類あるのは、ご存知でしょうか。「すぐに効く読書」と「「ゆっくり効く読書」です。
一見すると「すぐ効く」方がいいように見えますが、実は遅れて効いてはきちんとじわじわと変えていく読書、というのもあります。
そんな読書の効果を見ていきましょう。
■作品を読んで
どうも前作といい(417.『絶望読書』著:頭木弘樹、最近読書の効能についてまとめられた本を読み、紹介する機会が多いな、とつくづく思います。なんででしょう、トーコ自身が無意識にそれを求めているのでしょうね。
まあ、ちょっと期待外れ感がないわけでもないですが、非常にわかりやすく、読書に対して高いハードルがある人にはお勧めです。
この作品は、
- 今までに見たこともないような、新しい世界を教えてくれる読書
- 読む前と読んだあとで、価値観がガラッと変わってしまうような読書
- 人生の選択肢を増やして、今の状況からの脱出口を作ってくれる読書
について、解説していきます。
まず、人はなぜ本を読むのか、というところから始まります。
冷静に考えるとなんででしょうね…、考えたこともなかったなあという話でもあります。著者からの答えは、人生を「変えたい」から読むのだそう。
まあ確かに、退屈な時間をちょっと充実させたいし、今の状況を変えたいなあ、と頭よぎることも言われてみればありますわね。
実は著者も、学校も家も好きじゃなかった10代の頃にとっての救いは読書だったようです。
同調圧力に負けず自分だけが違う意見を持っているとき、たった一人で立ち向かわないといけないときに、自分を守ってくれたのは本でした。
時折あるのですが、身近な人よりも会ったこともない人が書く本の方が、自分のことを理解してくれる感じ。読書はそんなときに自分の味方だと思わせてくれます。
それは、わかります。ひどく同意。
また、本を読むことで、行ったことのない国に出かけられたり、普段かかわりことのない人の人生や、しでかさない大失敗などをまるで体験したかのような経験を積むことができます。
一度しかない人生で、他の人生を見れたり、自分の人生に生かすことができたり、行動の選択肢が広がります。やったー、喜びましょう。
さらにここから、章ごとにこんなテーマで見ていきます。
- 人生の「ロールモデル」を見つけるための読書について
- 「世界を動かすルール」を教えてくれる読書について
- 「日常の暮らし」をひっくり返す読書について
- 「自分のこと」を誰よりも知るための読書について
という章立てです。
では、第1章。まずは、自分と同じ「ダメさ」を持った人を見つける、です。
成功している人よりも、失敗してる「ダメ人間」について書かれている方が参考になると書いていますが、個人的には成功した人も失敗はしています。中には、え、そこでつまづくの、という人もいます。
だから、一概に「ダメ人間」と限らずに、失敗をきちんと描いている作品を読めばいいと思います。
個人的には、「ダメ人間」はいないと思っています。どんな人にもきっといい面はあるんでね。
で、ここでおすすめされるのは、中島らもです。トーコは読んだことないですが、なかなかロックな人で本人も自分には何か欠落したものがあると冷静に分析しています。
著者は中島らも作品を読んだことで、「普通」になじめない自分でも、自分なりのやり方で生きていけばいいのだ、という自信を持ったそうです。
1テーマの最後に引用した作品やさらにおすすめの作品の紹介がされています。この時は、中島らもの『頭の中がカユいんだ』という作品と吾妻ひでおの『失踪日記』と小池桂一の『ウルトラヘブン』が紹介されています。
まあ、生きるのはラクになりますね。
あと、結構橋本治という作家さんの作品がおすすめされています。著者がかなり影響を受けているからなんでしょうかね。橋本治という作家は、この作品を通して初めて知りました。
第2章では、「世界を動かすルール」を知る読書、です。ここでは、様々な学問との接点を見ていきます。
個人的には、「進化論」の話が好きですね。
まあ、そもそも進化論の解釈が面白いんですけどね。「頑張った人が生き残るわけじゃない。すべてはたまたまだ」という理論だから、という一説。
なるほど、ゆるーく解釈するとこうなりますね。確かに、言われてみればランダムに出てくる突然変異と環境に適合したのが生き残る適者生存の考えで構成されていますからね。
なので、著者の場合は「頑張っている人が成功する」という考え方が嫌いで、この考え方は非常にしっくり来たということ。
はじめに読んだときはそれでいいのか、と思ったのですが、いざ社会に戻って結構しんどくなりかけるとこの考え方はしっくりします。
頑張るのもいいけど、運の良さも必要なんだな、と。これは憶えておこう。人生が楽になりそうだな、と思いました。
第3章は「日常の暮らし」をひっくり返す。実は、ひっくりまでは返りません。
というのも、ドラマチックなものを求めていない著者にとっては、ただの平凡な日常や普通の食事が描かれた作品に惹かれているので、余計にそんな印象を抱きます。
まあ、何気ない日常というのは日々の生活に追われていると忘れがちなことのようにも思います。そんなときに読むと、何気ない日常が愛おしく思えるのでしょうね。
第4章は、「自分のこと」を誰よりも知る、です。
自分のことって自分が知ってるんじゃないの、と思う方に限って、人から気がついていないところを指摘されてあたふたするものです。
そんなときは、まず振り返る時間をつくること。忙しいけれど、きちんと人生を見直す時間をちゃんと確保すること。
そんな状況の時は、まさかのアガサ・クリスティーの『春にして君を離れ』を勧めています。読んだことがないので、へー、そういう話なんだ、と感心しっぱなしですけどね。
あとは、「体の声」が聴こえるか、です。これはすごく重要ですね。意外と頭のセンサーよりも身体のセンサーの方が判断力が高い気がします。
何かに迷ったときは自分の身体が違和感を感じていないか、会社に行くときや人に会うときに体調が悪くなるなら、やめておいた方がいい。
その他、身体から発する異変は無視しないように。これは、コロナ療養中に本当に思いました。サイン出てたやん…。
この時に紹介している本は、内田樹の作品です。トーコがすでに紹介した奴ではありませんでした。
というのも、内田樹さんは合気道をやっていて、そこから得た身体との付き合い方にも触れられている作品です。
人生を自由に生きるためには言葉が要ります。自分の考えがこの世界でどんな意味があるのか、を知るために、言語化するために読書はあります。
そんな大げさな、と思うかもしれませんが、時に自分の考えや今の状況を描くための言葉を発見するためにも読書が必要です。
■最後に
読書に救われてきた著者が、自分の考えを持てるようになるまでに読んだ作品の紹介とともに描かれています。
同時に自分の考えや状況を描くためにも読書はいります。現実と上手に立ち向かいましょう。