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エッセイ 文庫本

【日々の移ろい】491.『好日日記』著:森下典子

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こんばんは、店主です。

今日は、森下典子『好日日記』の紹介です。

■あらすじ

お茶の稽古を通して見た、ある1年間の季節のエッセイ。お茶の稽古と共に1年の巡りを見ていきます。

 

■作品を読んで

映画にもなった『日日是好日』の続きと位置付けられているこの作品。

しかし、お茶の稽古を通して感じたことを24節気ごとにまとめたエッセイとなっています。

24節気って結構馴染みがなくなっているように思いますが、個人的には24節気の全部が全部わかるわけではなく、知らない言い方もあったのが印象的でした。

要所要所で著者によるほっこりとしたイラストがあり、とても季節感が溢れていますし、エッセイにも彩りが出ています。

特に、季節の花が出てくると「あー」となるのがちょっと面白い。

12月に読んだせいか、最後の柚を模ったお菓子が虎屋で売られていたので、思わず買ってしまいました。いい形してますよ(笑)

 

この作品を読んで思ったのは、おそらく仕事も茶の稽古も基本的には一緒なんだなということ。

なんだか、仕事に通ずるものがあるなと。きっと前回の『日日是好日』の時もきっと同じことを言っている気がします。

それは何回も繰り返しても繰り返しても、完璧になることのないお点前をするのを見て、著者が感じたこと。

完璧になるためでも完成するために稽古をするのではない。だとしたら、一体何のため…と思うでしょう。

このエッセイの締めは、星野道夫さんの写真展を見てのこと。

『旅をする木』からの一節で、1年に1度名残り惜しく過ぎていく季節の中で自然を感じることができる。

星野さんはアラスカの大地で、著者は8畳の茶室で発見する。

店主は、同じ場所で出店していると日の傾き具合で季節が回っているんだなと思います。

そんな新しい「出会い」があるから、またお点前する。

たくさんの中から、出会ったものだけ、もらって帰る、という日常でいいのだと。

それが日々を生きることのように思います。

 

ちなみにですが、この章のお菓子は、端午の節句で食べるちまきが出てきました。

粽って、関西で食べるんですね。初めて知りました。関東は柏餅ですが…。

ちなみにですが、沖縄の方はなじみがないせいか、ラジオのパーソナリティーがラジオの生放送で柏餅を食べた時に葉っぱも食べてましたね、そういえば。

 

利休忌には、ちょっとしたゲームがあるのをご存知でしょうか?

茶カブキという名前で、「上林 竹田 客」と分けられた3種類の濃茶が用意されており、最初に2服(上林 竹田)を飲んでから、次の3服は「上林 竹田 客」のどれかを当てるというもの。

なんだただ味を当てるだけじゃんか、と思うかもしれませんが、濃茶を既に2服飲んだ状態で濃茶の味を当てないといけないので、既におなかに来る方もいる事でしょう。

さらにいうと、今は簡略化されているのですが、鎌倉時代は「闘茶」と呼ばれ、家財道具一式失わせるほどの賭け事でもありました。

違う意味ですごいですし、それを芸術化させた千利休もすごい人なんだなと思いました。

多分、このゲーム観光用にしても面白い…?と思いました。

さすがに、濃茶5服は頭を覚醒させるし、昔僧侶が眠気覚ましに抹茶を飲んだ話は納得。というか、眠眠打破を飲むくらいなら、とても平和な眠気覚ましのように思うのですが。

 

繰り返しますが、要所要所で出てくる茶器や季節の食べ物のイラストもいい。

店主が1番好きなのは、青海波という波の模様が出てくる抹茶の入れ物。抹茶の入れ物は、「中次」という茶筒のような円筒形のもの。

波なので、この章の季節は夏になります。他にも道具から、蟹やサザエが見えてくるので、潮騒が聞こえてきそうと表現しています。

ちなみにですが、青海波という模様は刺し子でも出てくるので、ちょっと面白いです。そこでつながってくるんだー、と思います

 

■最後に

お茶の面白いところは、季節感のある道具やお菓子が出てくるので、五感を使って季節を感じることができることなのでしょう。

本書でも語られますが、季節でもお茶の炉や点前が変わってきます。

日本の文化って、こんなに奥の深いものがあるんだなというのがわかります。なんか羨ましいなあと思いつつ、抹茶ラテで我慢する店主でありました。

 

-エッセイ, 文庫本,

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