こんばんわ、トーコです。
今日は、堀井和子の『アァルトの椅子と小さな家』です。
■あらすじ
コルビュジェの建てた家が見たくてスイスへ。暮らしに生かせそうなデザインを探しに北欧へ。
イラスト、写真等で彩られる著者の旅のスタイルが詰まっています。
■作品を読んで
まず、著者の方ですが、Amazonを見る限り本当にライフスタイル本を出しているようです。偶然とって初めて知ったのですが。
きっと、アァルトの椅子が欲しいので、何かヒントがあるのかなと思ったから手に取ったのでしょう。正確には、カール・ハンセンのY字チェアが欲しいのですが。
神楽坂(東京)のかもめブックスで。めっちゃオリジナルのブックカバーでおおわれています。素晴らしくわかりやすいカバーなのですが、おかげでこの作品の表紙が思い出せない…。
まあ、さておきまして、作品に行きましょう。
冒頭で、この作品で書かれていることのきっかけ等々が語られています。そこで、著者はこう言います。
そのふとしたきっかけも、それまでに私が見たり聞いたりした記憶が重なって、ある時、何かを感じとるように作用するのだと思います。ある時までは同じものを見ていても、すっと流していたのに、急に何かに気がついて心を動かされる。すごいと感じる、カッコいいと真似したくなる。そうした記憶の積み重ねが私の考え方、感じ方、向き合い方を作っていくのかもしれません。
自分の作り方が見事に書かれてますね…。すごいなあ、その通りですよ。
一体どうやって自分磨きすればいいのか、って悩むかもしれませんが、記憶の積み重ねがまわりまわって作用するんですね。
そのためには今なにすればいいのかは、些細なことや様々な体験が作るんですね、きっと。
では、その過程で著者が見てきたものに行きましょう。
まずは、ホテルの朝食について。
作品中でも触れられていますが、確かに小ぶりの小さな庭があって、木々や空が見えるような場所で食べられたら、どんなに幸せなんだろうか。
妄想してしまいますね。絶対にそこまで微妙な朝食でも1割増しになりますね、きっと。ここからは、著者のホテルの朝食へのこだわりが示されていますが、飛ばします。これは人それぞれですから。
ちなみに、トーコは熱すぎず、冷めすぎずが好みなので、そこのレベルに達していないものはおそらく出てこないと思っておりますから、ちょっとどうでもいい。
なので、サービスのレベルが落ちないよう、ホテルのみなさまには頑張っていただきたい。
「銀のポットと銀のバターナイフ」というエッセイでは、改めて銀製品が意外と使い勝手がいいことに気がつきます。
それは、ホテルでの朝食を食したときのこと。確かにヨーロッパのホテルでは、朝食のカトラリーが銀製品だったりしますね。よく磨かれていてピカピカしているやつ。
銀製品ではないけど、家に眠っていた銀メッキ製でも、注いだ時の切れもいい、保温性も高く、お茶の風味がよく出る。なるほど、と納得する。
ちなみに、銀製のポッドは万を超えますね…。マリアージュフレールのポッドが最低価格20000円だったので、それとほぼ同じです。マリアージュフレールは銀製ではないです。陶器+ステンレスですね、あれは。
銀製は細かい傷はつきものですが、目立つ傷にはなかなかならないらしいです。それはいいや、と思えてくるからまあ不思議。
バターナイフも然り。銀のバターナイフでバターを塗ると、ちょっと味が違うと著者は述べています。
ほんとかいな、と思っているので、まずは銀のバターナイフを買ってバターを塗ってみたい…。バターナイフを買うところからスタートかい。
その他、ジャムやパンなど、朝食に欠かせないものたちを追い求めています。最初の頃は、フランスやスペインのバスク地方を巡った時のことを綴っています。
ほんと、パンなんて日本人が好まない結構固いパンが主流で、なかなか好みのパンを見つけるって大変…。
あと、バスクの布もかなり特徴的。いいなあ、洗濯したらとりあえずパリッとするなんて。
コペンハーゲンのカフェでは、1人で独占したいくらいおいしいりんごケーキを見つけます。
ちなみに、デンマークはパンもおいしいです。確かに、昔デンマーク製の冷凍のパンを食べたことがあったんですが、あれはおいしかったなあ。
高校生の頃によく食べていたのですが、1回り小さいコッペパンみたいな形をしたパン、ケシの実がのっかった小さな丸いパン。今もどこかで売ってるかな…。
いいなあ、食べたいなあ。そのためにコペンハーゲン行くのもありだなあ。パスポートが切れないうちに行きたいわ…。
それから、フィンランドの朝食や生活小物、デンマークの小物など、トーコ的には非常に魅力的なものがたくさんあります。
行きたいなあ、見てみたい。けど、円安だから結構なお金準備しないとダメだわ、こりゃ。
つづいては、スイス・ジュネーブです。なぜジュネーブに行ったかと言えば、レマン湖の湖畔にコルビュジェの両親の住んでいた家を見たかったから。
コルビュジェの両親の家は、ちゃんと人が住める建築になっていたようです。よかった、そういう作品で。建築家の建てる家って、めっちゃ暮らしやすいか、暮らしにくいかのどっちかだから…。
その帰りに寄ったサロン・ド・テという喫茶店みたいなところでしょうか、オフィスに勤めているお母さんと小学生の息子さんが仲良くお昼ご飯を一緒に食べています。
給食の代わりに、まさかの親子で食べる昼食。欧米では一般的らしいですが、それを生で見られた。
お昼を一緒に食べた後は、仕事や学校に戻ります。なんか、すごく人間らしく健全な気がしますね。日本だとなかなか難しいけど、務め人以外は意外と難易度が高くないかもしれませんね。
このサロン・ド・テには、ケーキが20種類以上あり、1つ選ぶという作業自体がすごく大変です。さらに、コーヒー、紅茶がおいしい確率大なので、ティータイムを楽しめそうです。
うう、スイスにも行きたいぜ。行ける日来るかな、お金あるかな…。そっちの方が重要かも。
最後は、バスク地方を旅した時のこと。
バスク地方の料理もおいしそうです。もう1度食べたいと思って東京でオリーブの実と白ワインを探したそうですが、バスク地方を旅行しているときに出会った感じのものには出会えなかったそう。
料理だって一期一会です。それにしても、出てくる料理が本当に美味しそう。行きたくなるなあ。
■最後に
旅の思い出を運んでくれる、日常でも使えるものたち、おいしそうなグルメ。
著者がその目で見たものを確かめたいと思い、久しぶりにどこかへ行きたいと思えてきます。なんだか、本ってすごい。