こんばんわ、トーコです。
今日は、頭木弘樹編訳の『絶望名人カフカの人生論』です。
■あらすじ
カフカといえば、「変身」のほかかなり有名な作品を残し、多くの作家に多大な影響を与えました。
が、当のカフカといえば、日記やノート、メモ、手紙に残した言葉は自虐や愚痴に満ち溢れています。ネガティブのオンパレードです。
文豪の残したネガティブワードたちは、ネガティブを通り越して笑いに変わっていきます。
本当に不思議なくらいです。
■作品を読んで
冒頭からやられます。「はじめに」でこんな言葉が引用されています。
将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
将来にむかってつまずくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。
へ、なんだそりゃ、って思うこと間違いなしです。
ほんと、いつ何時読んでも笑えます。正直なことを言えば、この引用を打っているときもくすくす笑っていました。
自分の悩みが結構な割合で吹き飛ぶこと、間違いなしです。
ちなみに、先ほどの引用文はラブレターに書かれていた言葉です。
え、それ書くの?とびっくりすることでしょう。
普通こんな男嫌だろう、と思ったら、なんとその人ちゃんとカフカと婚約します。
トーコがこれよりさらに爆笑したのは、その婚約者に渡した婚約者の父親あての手紙。
さっくりいうと、「ぼくは今の勤めで急速にダメになっていくでしょう」と書いたのです。
おーい、お父さんにそんなこと言うか、おい。
普通の親なら、そんなこという男と自分の娘を絶対結婚させませんぜ。
婚約者はお父さんにこの手紙を渡さなかったとか。当然ですけど。
それにしても、カフカの周りの人たちはよくこんなネガティブレターにメモをきちんと守ってくださいましたこと。
このカフカの手紙・書簡集というのは、実は現在日本語訳のものは絶版になっています。古書しかありません。
多分、日本語訳になっていてももっとわかりにくい文章だと思われるので、あってもとっつきにくいかもしれません。が、カフカの手紙たちは実に面白いので、あったら絶対いいなと思います。
こんなにカフカが絶望名人なんだということを教えてくださった訳者に感謝です。
■最後に
ネガティブもここまでくるともはや笑えてきます。
なんだかすごく安心するし、また頑張ろうと励まされるものがあります。
カフカの作品ももっと読んでみようかと思えてきます。
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