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【技術を知る】454.『メタバースとは何か』著:岡嶋裕史

投稿日:4月 19, 2023 更新日:

こんばんわ、トーコです。

今日は、岡嶋裕史の『メタバーストは何か』です。

 

■あらすじ

文字通り、メタバースについてを語っている作品です。

メタバースは私たちにどんな次の未来をもたらすのでしょうか。

 

■作品を読んで

とりあえず、メタバースについてなんらかの知識を得たいなあと思い、手に取った作品です。

メタバースとは、

現実と少し異なる理で作られ、自分にとって都合がいい快適な世界

それは個々人にとって1番いい世界になるかもしれません。まあ、非常に違和感はありますけど。

ですが、それに目を向けた旧フェイスブック社は社名をMETAに変えています。それくらい、SNSのNEXTを見ています。

それでは、本書の構成です。

  • 第1章 フォートナイトの衝撃
  • 第2章 仮想現実の歴史
  • 第3章 なぜ今メタバースなのか?
  • 第4章 GAFAMのメタバースの取り組み

では、ますは第1章。フォートナイトというのは、3人称の狙撃ゲームのようです。ゲームをやらないので、なんのこっちゃ感あります。まあ、このゲームもかなりメタバースよりなのでしょう。

なぜこれが衝撃を与えたのかと言うと、アップルやグーグルストアで販売をするのを辞め、自社のサイトを通して売ることにしたから。

アップルやグーグルは手数料として30%とっています。フォートナイトを販売するエピックはおかしいと思い、自社販売に切り替えます。

しかもすごいのは、さすがアメリカ。アップルとグーグルに対して裁判を起こします。権利を主張するためにですね。

とはいえ、メタバースの世界が少しずつ現実となり、ついにリアルよりも仮想現実の方がいいという人まで現れます。当然ですね。

現実世界と同じようなものがあり、自分にとって心地よいものを選べたら、最高じゃないですか。

さらに、新型コロナウイルスの蔓延でメタバースにもチャンスが巡ってきます。外にでれず、Zoom等のオンラインツールにより、バーチャルの世界が少しずつですが普及します。

第2章は、「仮想現実の歴史」。文字通り、仮想現実の歴史について言及しています。

当然ですが、メタバースが騒がれる前から仮想現実はありました。特に一部のゲームやアニメの世界はかなり仮想現実っぽいものはありますからね、

でも、まさかの「あつまれ どうぶつの森」が出てくるとは思いませんでした。

トーコは、中学生の頃ニンテンドーキューブの時にどうぶつの森をプレイしたことがあるので、「あつ森」が流行ってもゲームの世界はイメージできます。

村に住み、作物を育て、店でものを買い、服を着る。なんか牧歌的なゲームですが、なぜかコロナ渦でウケました。一体なんででしょう。しかも、それがメタバースのようなものにたとえられる日が来るとは…。

中学生の頃のトーコ、結構先見の明があったのお。

第3章は、「なぜ今メタバースなのか?」。

なぜ今メタバースなのか、技術的な背景と人間的な視点の両軸で論じます。

技術的な背景としては、グラフィックの解像度が上がり、コマンドのレスポンスの速度も上昇したことから、実世界と変わらない世界がコンピュータ上でも展開が可能になったことからでしょうか。

人間たちも、SNSが発達し、正直なことを言えばそこまで実世界でのコミュニケーションを取らなくても下手をすれば生きられる状態になりつつある現代では、意外とメタバースとの親和性が感じられるようになったのかもしれません。

簡単?に言うと、仮想現実でも生きられるよね、ということ。なんだか、凄い世の中になりつつありますね。

さらに、意外と高齢者も案外メタバースに対応できるかもしれません。実際に60代、70代のゲーマー、プログラミングを学ぶ80代がいらっしゃいます。

普通に考えたら、あと10年後の高齢者はフツーに初期のヲタク世代のはずですからね。そら、高齢者も対応できる時代が来ますよ。

第4章は、「GAFAMのメタバースへの取り組み」

非常にわかりやすいタイトルで、Google、Meta(旧Facebook)、Apple、Microsoft、Amazonの取り組みを見ています。

何がすごいって、テックジャイアントが乗り込んでしまえば、フォートナイトのように中小の会社はひとたまりもないことでしょうか。

しかも、Microsoftはミラーワールドと言って、リアルとデジタルツインが合体した世界の方に注力しています。

日本だと、プラトーという国土交通省主導のプロジェクトに近いのかと思います。都市モデルをよく再現していますよ。

最後にまとめが書かれています。デジタルツイン、ミラーワールド、メタバースについて、最後に用語の違いが書かれています。

メタバースが1番日本企業が戦えるのではないか、と、まとめられています。

が、果たしてそうなのでしょうか。メタバースは便利な反面、使い方を間違えれば大変なことになります。

そういえば、AIを開発した方がGoogleを辞めましたねえ。(2023年5月上旬現在)

著者は、こう言って本書を締めくくります。

ちょっと想像しただけでも、まだまだ私たちが考えねばならないこと、考えるべきこと、考えてもよいことが残されていて、わくわくします。こうした問題について考え、取り組み続けることで、人はもっとよりよい生を生きられるようになるでしょうし、巨大なビジネスチャンスをつかむこともできるはずです。

私たちがテクノロジーと上手に付き合うためには、このくらいの気の持ちようでいいのかもしれませんね。

 

■最後に 

メタバースについて非常にわかりやすく解説されている本です。

テクノロジーに恐れ過ぎず、でもわくわくしながら、一体どのように活用できるのかを考えるきっかけになるかもしれません。

 

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