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【命の選択】87.『未成年』著:イアン・マキューアン

投稿日:12月 5, 2017 更新日:

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こんにちは、トーコです。

今日は、イアン・マキューアンの『未成年』です。

未成年 (新潮クレスト・ブックス)

 

■あらすじ

フィオーナは裁判官として日々職務に当たるも、一方で夫の浮気が発覚し、夫婦関係はぎくしゃくしていた。

そんなある日の審判は、信仰上の理由により輸血を拒否している未成年の少年についてだった。

少年はまだ数か月足りないが、とても賢い子だった。

やがて、ある特別な絆が結ばれる。

 

■作品を読んで

信仰上の理由で輸血を拒否する話って世界中にあるんだなと、まずそこにトーコは驚きました。

確か、社会科の時間にそんな判例があって、テストのために覚えたような記憶があります。

宗教上の理由で輸血を拒否するのも、それを裁判で客観的な理論で裁くのはすごく重みもあるし、重大なんだなと思います。世界中どこでも変わらないようです。

少年も信仰上の理由という1点でしか見ていなくて、自分の死が近いことを真にわかりきっていませんでした。

そんな状況できちんと少年に向き合い判断を下すフィオーナに、ただただ感嘆します。

フィオーナの下した判決により、少年は一命をとりとめます。

そこから少年とフィオーナの交流が始まりました。

少年はフィオーナにいくつか手紙を送付します。フィオーナは手紙を読むも返事はしませんでした。

やがて、フィオーナは衝撃の事実を知ることになりました。

少年は再び病気を再発し、輸血を拒否し、亡くなります。彼はこの時点では18歳になっていました。成人となり、輸血を拒否することが単独で可能となっていました。

フィオーナは気が付きます。少年の命は救いましたが、少年の福祉や保護を与えることができなかったのです。

物語のラストでは無事に夫婦関係はよくなってきたので、夫にこの話をするのでした。

しかしまあ、判断の正しさがわからなくなってきます。これほどまでに判断が難しい話はないです。

 

■最後に

選択の重みがひしひしと伝わってきます。

何といっても、正しいのが何なのかがわからないのですから。

すごく考えさせられます。重みのある作品です。

 

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