ある読書好きの女子が綴るブック記録

このサイトは年間100冊の本を読む本の虫の女子がこれから読書をしたい人向けに役に立つ情報を提供できればなと思い、発信しているブログです。

小説 文庫本

【危なっかしい年頃】85.『午後の曳航』著:三島由紀夫

投稿日:11月 12, 2017 更新日:

こんにちは、トーコです。

今日は三島由紀夫の『午後の曳航』です。

午後の曳航 (新潮文庫)

 

■あらすじ

14歳になろうとしている登は母と平穏に暮らしていたが、登はある日母と船乗りの竜二の決定的なものを見て衝撃を受ける。

やがて竜二が登の母親と再婚し、竜二が徐々に陸の俗世の生活になじもうとする姿をみた登は、友達の首領(ドン)に相談し、もう一度輝かせる方法があると言ってある提案をする。

 

■作品を読んで

うん、この年の男の子っていったい何を考えているのかわかりません。

ラストはかなりぞっとします。父親になったばかりの男を永遠に眠らせようとするのですから。

14歳にならないって犯罪者として罰せられないんですよね。

これは作品が書かれた当時から全く変わっていない話。

14歳の少年少女って、かわいくて、聞き分けのいい顔をして、実は考えていることはえげつない。

だけど、すごく大人の世界の本質をついている。だけどよかったことは、こんな少年たちは現実に存在しないことだ。

それにしても、三島由紀夫は一体何を描きたかったんだろう。正直読んでいて謎が多いです。

世界は空っぽで、その空っぽの世界をの秩序を保つための見張り人で執行人でもある。

といったのはリーダー格の少年の首領(ドン)と呼ばれる少年で、また、彼は世界は単純な記号と決定でできている、とも言います。

最初はん…、となりましたが、冷静に考えるとそうなんだよね。

世界って私たちが思っている以上に単純なんでしょうね。

とはいえ、この言葉がすごく意味を持つのにけっこう重みがないのは、よくある小説の始まり方をしているからなのでしょう。

まあ、三島由紀夫が書きたかったことを考えるのはやめましょう。

それはそれでいいのでは。

 

■最後に

よくあるメロドラマで終わらせず、なかなかの伏線を用意してしまうのはさすがです。

かなり読みやすいです。意外にも思いますが、あっという間に読めてしまいます。

でもそれでいて様々な謎や?が多く残る、何とも言えない後味のある作品です。

 

-小説, 文庫本,

執筆者:


comment

関連記事

【時を紡ぐ】325.『貝に続く場所にて』著:石沢麻依

こんばんわ、トーコです。 今日は、石沢麻依の『貝に続く場所にて』です。 貝に続く場所にて   ■あらすじ ドイツに住む私は、震災のあの日仙台で学生をしていた。その時の震災で野宮が行方不明にな …

【言葉の海】412.『波』著:ヴァージニア・ウルフ

こんばんわ、トーコです。 今日は、ヴァージニア・ウルフの『波』です。   ■あらすじ 遠い太陽の光が海辺の一日を照らし、寄せては返す波のうねりが文章として表現されている。 そこに描かれている …

【初恋の行方】456.『天に焦がれて』著:パオロ・ジョルダーノ

こんばんは、トーコです。 今日は、パオロ・ジョルダーノの『天に焦がれて』です。   ■あらすじ 夏になるとトリノから祖母のいるスペツィアーレという南部の街で過ごす14歳のテレーザ。 そんな時 …

【ビジネスマン必見】371.『転職の思考法』著:北野唯我

こんばんわ、トーコです。 今日は、北野唯我の『転職の思考法』です。   ■あらすじ 今の会社にこのままいていいのだろうか…。サラリーマンとして働いている人は何回も思ったことでしょう。 そんな …

【元気の出る本】40.『カラフル』著:森絵都

こんばんわ、トーコです。 今日は森絵都の『カラフル』です。 カラフル (文春文庫)   ■あらすじ ぼくの魂は運よく(?)再チャレンジに当選してしまい、自殺を図った少年の体にホームステイする …