こんばんわ、トーコです。
今日は、千葉雅也の『勉強の哲学』です。
■あらすじ
「勉強とは自己破壊である」というフレーズからスタートする本書。
雲行きの全く見えない時代に、世間に迎合していくには勉強が必要であること。
本書では、勉強することの意義とその方法を説いている。
■作品を読んで
意外なくらい勉強することを哲学的に述べた本だなと思いました。
とはいえ、たまたまこの本を持っているのを友人に見られ、どんな本と突っ込まれたときに、「思ってた以上に哲学的な本」というと、「題名からしてそうじゃん」と言われてしまいましたが。
本を読みすぎているわけでもないですが、この手の本がビジネス書の置き場にあると「中身がそこまでない本」と思ってたので、逆に意外に中身が詰まっていてびっくりしたくらいです。
意外と普段本を読まない人の方がタイトルで判断できるのかもしれない、なんて思いました。とはいえ、この友人たちが本を読む人だったら、ごめんなさい。謝罪はします。
では、本書の内容に行きましよう。
まずはこれまでの自分の殻を破り、自由になる。
なんとなくですが、これはトーコの経験則ですが、よく勉強している人って、他人に迎合しないなと思います。
意見が自由。だけど根拠資料がきちんとしている。
しかしまあ、来るべきバカのためにという文言は一体どういう意味なんだろうか、としょっぱなから思います。
けど、それを証明する文言はかなり論理的です。びっくりするくらい。
第一段階、いったん昔の自分がいなくなる第二段階を経て、第三段階来るべきバカになるそうです。
さらに言えば、勉強することは自己破壊をすること。
段々と読み進めると、信頼に足りる他者は、粘り強く比較を続けるのだそうです。
それは、勉強を続けることを意味します。より最適な解があるはず。だから比べて、判断する。
ひょっとしたら、別の可能性があるかもしれない。それでも得た知識を蓄積する。
多分この本で一番舌を巻いたのは、結構精神分析的な面で勉強することを定義していることでしょうか。
おそらく、これがあるからビジネス書とはいいつつもかなり本気の勉強の哲学を説いているのでしょう。
あとは、勉強する上で必要な「まともな」本を読むこと。
入門書を比較して選び、少しずつ専門書に近づく。
おそらく想定は経済や法律などの専門分野を学ぶ場合のやり方ですね。
この勉強方法だと、学問をベースに、その上に、より現代的で現場的な知識を置く、という二重構造になります。
最後に結論として、まとめが示されています。おそらく、読んでいて分からなくなったら、これを読めば大丈夫なはず。
きちんとまとめられています。著者に感謝。
■最後に
勉強することの意義が意外なくらい哲学的にまとめられています。
みんなに合わなくても大丈夫、勉強して違う世界に行ってしまえばどうせ合わないのですから。
勉強を続ければこれまで見たこともない新しい世界と自由が手に入るでしょう。
[…] 以前に、千葉雅也の 171.『勉強の哲学』 を紹介しています。この作品のなかでもかなり言及しているので、興味があればぜひお読みください。 […]