こんばんわ、トーコです。
今日は、出口治明の『ビジネスに効く最強の「読書」』です。
■あらすじ
ビジネス界で無類の本好きの著者が、日経ビジネスという雑誌の月1連載で本を紹介したコラムをまとめたものです。
さて、どんな作品がおすすめに上がるのでしょうか。
■作品を読んで
以前作品を紹介していますので、こちらも良かったらどうぞ。161.『知的生産術』
当時の肩書はライフネット生命の会長兼CEOですが、現在は立命館アジア太平洋大学の学長です。
ただし、病気療養から2022年1月に明けたばかりのようです。脳出血を発症し、麻痺が残っているのだとか。それでも、職務に復帰しようとするのですから、まあすごい。
実はこの方、驚くくらいの著作があります。ビジネスと読書のテーマから、管理職になった時の本、50代からの生き方、世界史や地政学…。テーマが多岐にわたりすぎています。
そういえば、『哲学と宗教全史』という本を出した時にちょっとだけ話題になっていたような記憶があります。ちなみに、13万部出版されています。回復したら著作を出版するのでしょうかね。
さて、作品を見ていきましょう。
こういう作品って、割と簡単であっという間に読めるよくあるビジネス書を紹介するのかな、と思ったらとんでもない。珍しいくらい骨太の作品ばかり飛び出します。
トーコはなんとなくそう来るなと予想はしていましたが、その予想を軽く上回ります。
冒頭に紹介した作品ともう1冊新書をすでに読んでおり、どちらも人、本、旅の3元素を説明していたようにも思います。
というか、まえがきに書いているのですが、
ベンチャー企業(出版当時はライフネット生命の社長)の経営に手いっぱいなので、平均すれば、週4~5冊読むのがやっとです(昔は、その倍ぐらいは読んでいました)。寝る前の1時間本を読むことは、歯磨きと同じくらいの習慣になっています。活字中毒のきらいがあるので、新幹線や地下鉄で移動中も眠っていなければ、大体は本を読んでいます。
社長をしながら週平均4~5冊って、もはや謎の読書量。1.2冊ペースで読んでいる計算になるかと思います。その倍となると、週10冊になりますから、どんだけ~、の世界になります。
一体どんだけ本代に使ってるんだ、と素朴な疑問が出てきますが、それは後ほど。
とりあえず、章の構成はこんな感じです。
- リーダーシップを磨くうえで約に立つ本
- 人間力を高めたいと思うあなたにふさわしい本
- 仕事上の意思決定に悩んだ時に背中を押してくれる本
- 自分の頭で未来を予測する時にヒントになる本
- 複雑な現在をひもとくために不可欠な本
- 国家と政治を理解するために押さえるべき本
- グローバリゼーションに対する理解を深めてくれる本
- 老いを実感したあなたが勇気づけられる本
- 生きたことに迷ったら傍らに置く本
- 新たな人生に旅立つあなたに捧げる本
なかなかに興味をそそられます。って、トーコだけか。
で、第一章の最初に紹介したのは、『ローマ政治家伝(名古屋大学出版会)』。うおー、そう来たか。文庫でもなく、ハードカバー本の出版社がまさかの大学。
カエサルとポンペイウスについて取り上げるため推挙。これは読むのが大変だと思った方は、カエサルの『ガリア戦記(岩波文庫)』を関連本として推挙。
さらに、カエサルの人生をおさらいする場合は塩野七生の『ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以前』を推挙。これは文庫本3冊なので、ハードカバーよりは読みやすいです。
が、正確には以前と以後があったはずなので、文庫本で6冊になります。まあ、ハードカバー2冊よりはましか、と思う方にお勧め。
いずれにしても、ユリウス・カエサルは結構すごい人物なので、読むのをお勧めします。
トーコは、塩野七生の『ローマ人の物語』文庫本6冊コース+αでユリウス・カエサルを学びました。色々とすごい人ですよ。
硬派な本を勧められまくったので、伊賀泰代の『採用基準』という作品がなんだか簡単そうに見えてくるからすごい。
『指輪物語』を昇華された後に、マキャベリの『君主論』。なかなかリーダーについて考えさせられる作品ばかり薦められます。
どんな人物で、どんな心構えでいるべきか。考えをまとめるのにヒントになる作品が詰まっています。
というか、本作はなかなかに古典を薦められます。その理由は、
ビジネスを進めるうえで本当に役立つ本は、圧倒的に古典が多いと思います。なぜなら、そこには様々な人間がリアルに描かれているからです。つまり、古典を読めば人間力(人間に対する洞察力)が高まるのです。ビジネス書10冊読むよりも、古典1冊読んだ方がよほど役に立つ。
そんな理由から、この作品でも古典を進めています。なので、物珍しいくらい岩波文庫紹介率が高いです。岩波文庫ってなかなか売ってないのですがね。
というか、人間の本質って古今東西あんまり変わりがないのでしょうね。
参考ですが、トーコがこの作品で出てきて読んだ本、読みたい本です。
・『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』塩野七生
・『朗読者』ベルンハルト・シュリンク
・『供述によるとペレイラは…』アントニオ・タブッキ
・『宇宙論と神』池内了
・『モンゴル帝国の興亡』杉山正明
・『ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る』梅森直之編著
・『生物学的文明論』本川達雄
・『アルケミスト 夢を旅した少年』パウロ・コエーリョ
・『深夜特急』沢木耕太郎
とっつきやすいところばかり選んでいる気がします…。
最後に、恐ろしい量読む著者の本の買い方を。
著者は海外赴任を機に本をすべて処分しており、現在は図書館で借りて、なかったら買うというスタイルなのだそうです。そりゃ、どう考えても本がたまりますからね。MAX月に40冊は読む計算なので。
あとは、新聞の書評欄を読んで買う本を判断するのだとか。確かに、あれはいいリストですからね。
でも、編集者の人もこれを時間の許す限り読んでいたそうなので、相当大変だったと思いますよ、これ…。本を持ち歩くために鞄を変えたそうです。
■最後に
ビジネスに効く本(主に古典)を紹介した記事をまとめた作品です。
読書に慣れていない人はとっつきにくい作品も多いですが、たまには、嚙み砕きにくい本を通して考えさせられることも必要かもしれませんね。