こんばんは、トーコです。
今日は川上未映子の『すべて真夜中の恋人たち』です。
■あらすじ
「わたし」は俗にいうコミュ障で、人と関わるのが苦手な性格の持ち主。
「わたし」は普段はフリーの校正の仕事を家で行うため、ことさらに人と関わらない。
そんなある日三束さんに出会う。
■作品を読んで
不思議な話。現実にこんな方がいるのかわからないですが。
なんというか、おとぎ話を読んでいるような気分になります。すごくファンタジーに近いかも。
だけど、わたしが三束さんに少しずつ恋をしている描写はすごく繊細でキラリとするものがあります。
恋をすると少しずつ自分が変わっていき、数少ない知り合いの1人の聖というかなりはっきりとした女性にも少しずつ主張していく様は潔いよう思います。
最終的には恋は結ばれず、わたしは少しずつ三束さんに出会う前に戻っていくのですが。
個人的にはですが、この作品はすごく冬の季節が1番似合う気がします。なんというか、切なさが雪の深々と降る季節とマッチするような気が。
恋物語なのに冬が似合うというのも、それはそれで珍しいのですが。
■最後に
不思議な本と書きましたが、恋の尊さと儚さがすごく繊細な描写で書かれています。
最初の1文でこの作品の世界にあっという間に引き込まれます。
恋をすることがかくも美しく、小さな光を灯すのだなあと思える作品です。