こんばんわ、トーコです。
今日は宮下奈都の「太陽のパスタ、豆のスープ」です。
■あらすじ
明日羽(あすわ)は結婚式直前に婚約者から別れを切り出されます。
どん底の明日羽に叔母のロッカさんは、やりたいことを書き並べる「ドリフターズリスト」を作ることを提案します。
明日羽はドリフターズリストを作り、リストに書いたことを少しずつ実行していく中で、これまでの自分の人を振り返っていき、やがて少しずつ成長していきます。
■作品を読んで
作品を読み始めたとき、明日羽については「こいつ大丈夫か」と思いました。やりたいことがない、ってある意味すごい。でもけっこうそんな人意外と多いのかもしれない。
でも少しずつ読み進めていくと、「ああ、明日羽が明日に向かって少しずつ歩いていく話なんだな」と思い始めました。
足羽はやりたいことをドリフターズリストに書き、実行していく中で様々な人と出会います。
物語の中盤で、ドリフターズリストは破談から立ち直るためだけではなく、今後の自分を支える土台を作ることを決めます。
ちなみにこの明日羽が決心した章の名前は「ふりだしを越えて」。なかなかいい名前だなとトーコは思います。確かにふりだしを越えちゃったんですから。
今後自分の人生の中で起こった時もそう心の中でつぶやきたいです。
すごく共感したのは、明日羽が豆を売ることを経験したときに感じたこと。
売りたいものを売る。ほんとうにいいものを売ろう、と明日羽は思います。
トーコの仕事もなかなか思い通りに行かず今はほぼ何もできない状態ではありますが、いつか自分の売りたいものを売りたいし、それでいいんだと励まされました。
物語の最後で明日羽は気が付きます。自分の選んだものが自分をつくられることに。婚約者がいなくなってふと自分の人生を振り返ったら何もなかったころと比べれば、だいぶ成長しました。ちゃんと自分の意思が伴ってきました。
とき頑張れないときもあるかもしれませんが、そんなときは頑張れるときに頑張ればいいと割り切ることもロッカさんが言ってましたが。
■最後に
何も人生について深く考えることのなかった明日羽が、婚約解消をきっかけに自分ときちんと向き合うことで少しずつ成長していきます。
またドリフターズリストを作って少しずつやりたいことを実行していくのは、読者でもできそうです。
壁にぶつかったときに読み返したい本です。