こんばんわ、トーコです。
今日は、浜矩子の『「通貨」の正体』です。
■あらすじ
突然ですが、「通貨」っていったい一言でいえば何なのでしょう。
通貨自体は人類誕生の早い段階から存在していました。
今では通貨=コインではなく、キャシュレスなど様々な形態となっています。
そんな時代に著者は通貨をどんなものとしてみるのでしょうか。
■作品を読んで
通貨をテーマにするというのは、よくある話です。
ただ、通貨というテーマはものすごく奥が深いもの。なぜなら、トーコが思うに通貨って歴史が意外とあるから。
お金そのものが当たり前のように存在しているから意識しないと思いますが、大昔は塩が通貨だった時代だってありました。
それにしても、この著者テレビでよく見る人なのでどんな語り口で書くのだろうと、気にはなっていましたが、なかなか歯切れの良い語りをする人みたいです。
江戸時代にかなり粗悪な貨幣を出していたのですが、その金属の含有量の少ない貨幣を「タコなしのたこ焼き」とたとえていたのには爆笑しました。
まさに得てして妙。その通りすぎて爆笑。
しかも、お奉行様は「幕府がカネといえば金なんだ」ということまでわかっている。
人々はお金の形をしているものをお金とみているので、金属含有量の少ないお金だって、形価値を認知しているから、幕府がこれはお金といえば大丈夫、ということ。
今の政治家よりも賢いかも…。
それから、ドル、ユーロ、人民元、SDR、仮想通貨、円といった通貨の概要を解説していきます。
仮想通貨の呼び方も「仮装通貨」になっています。通貨のマネをしているもの。
著者曰く、通貨は基本的には仮想なものなので、違和感があるのだとか。
仮想なものというのは、お奉行様の理論「カネといえば金なんだ」というところより。
ただ、今の仮装通貨は投機的な面で騒がれているので、今の通貨とはまた違うものがあるかもしれません。
ですが、今後通貨を電子化する流れが加速します。そこで、今の仮装通貨が本物のお金のように扱っていくような仕組みや法がどんどん整備されていくことでしょう。
そうなると、知らない間に通貨がいつのまにか電子化されて、怖い怖いと言っていた仮装通貨がホンモノのお金になる日が来るかもしれません。
仮装通貨がホンモノのお金になる世の中って、いったいどんな世界になるのでしょうかね。若干楽しみだな。
あまり聞かないかもしれないですが、SDRというIMFの「特別引き出し権」があります。
ちなみにですが、IMFは国際通貨基金のことです。
これも、簡単にたとえると仮装通貨に近いものですが、時代のはざまでふわふわした存在としてつかみどころのない存在としているようです。
通貨を巡る旅もなかなか濃いものだな、とつくづく思います。
■最後に
テーマ的に難しいかもしれませんが、著者のたとえや語り口のテンポがなかなかいい本です。
通貨という単純そうで奥の深いテーマを題材にした本です。
なかなか深みにハマってみるとかなり楽しいです。奥の深い世界が広がっています。