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【あの日のこと】223.「暗い夜、星を数えて」著:彩瀬まる

投稿日:3月 22, 2020 更新日:

こんばんわ、トーコです。

今日は、彩瀬まるの「暗い夜、星を数えて」です。

暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出 (新潮文庫)

 

■あらすじ

2011年3月11日、著者は福島県に向かう常磐線の中にいた。揺れた瞬間は電車の中。

それから、たくさんの人に助けられ、震災発生から5日後に無事自宅に戻ることができた。

時間が経ち、著者が福島へ訪れる。その記録も含まれる。

 

■作品を読んで

驚きました。まさか、あの日あの時ほぼ同じ体験をしている人がいたとは。

実はトーコも震災の瞬間電車の中にいました。そう、あの揺れはこんな感じ。脱線事故と間違えそうになったことは昨日のように覚えています。もう、かれこれ結構な年月が経ったのに。

ただ、不幸中の幸いではないですが、トーコの乗っていた電車は割と高台だったので、津波が到来した瞬間は電車の中に閉じ込められたままでした。

なので、著者がまさか被災していて、しかも旅の途中だから土地勘ない、助けてもらえる人もいないという何重苦だったとは思いもよりませんでした。

被災から脱出までの5日間のルポルタージュは衝撃的です。

なんせ福島県にいたので、原発の爆発というおまけがついています。

情報がない、信ぴょう性がない、一体どこまで逃げればいいのかわからない。

著者は、一緒に逃げてきた人、助けてくれた人、遭遇した人たちの優しさに救われます。

さすがにトーコも被災はしましたが、土地勘のある路線で被災し、戻り方もなんとか目検討が付いてる、一応家、家族は無事だったので、著者のように心細い思いをせずに済みました。

著者のこの体験は本当に壮絶だと思います。同じ立場にならなくて本当に良かったって、思ってしまいます。どうしてもトーコ自身の体験がラップしてしまいます。

 

それから3か月して、著者は震災ボランティアに参加します。

あの日、親切にして貰った人たちを置いてきてしまったという自責の念が残るも、時がたつにつれ自分の意識が被災地から遠のいていく中での参加のようです。

被災地方と呼ばれる場所に住んでいた人間からすると、そうなっても仕方ないことかと思います。一瞬で通り抜けることができたのですから。

それにしても、3か月もたつと意識はそりゃ違いますよね。東京と福島じゃ。

トーコ的には6月になってやっと少しずつ落ち着きを取り戻しているかな、と記憶をたどっています。

 

2011年11月再び福島に行きます。

この時は震災の時助けてくれた人たちとの再会の旅でもありました。

著者は自分の住んでいる場所からたった3時間しか離れていない場所で、人々が様々な思いを抱えて生きていることを思い知ります。

それは、福島の置かれている状況を表しています。原発事故が計り知れない影響を人々に与え続けています。現地に住む人が抱える複雑な思いです。

なんだか、身につまされる話です。近いようで遠い場所で起こっている。

でも、被災地を離れればみんな忘れている。中には覚えている人もいるけど。

「自分の身に降りかかるまで分からない」

本当にその通りです。身に降りかかる分からないんです。

この作品を読むと、あの日のことを本当に思い出します。それだけこの作品は生々しいです。

トーコにとっても震災は遠い出来事ではないんだな、と思い知らされるのです。

著者がこうして生で体験し、記録として残してくれたこと。その後の福島もきちんと見聞きしたことを残してくれて本当に感謝でしかないです。

 

■最後に

震災の時電車の中にいた、著者のルポルタージュです。

小説よりも先にルポルタージュが出ていることに驚きですが、作家としての布石としてはきっと盤石なものとなったことでしょう。

どうか、多くの人に読んで欲しいです。あの日のことをどうか知ってほしいです。

 

-ノンフィクション, , 日記, , 社会, 震災

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