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【女帝のいたころ】168.『緋の天空』著:葉室麟

投稿日:5月 9, 2019 更新日:

こんばんわ、トーコです。

今日は、葉室麟の『緋の天空』です。

緋の天空 (集英社文庫)

 

■あらすじ

舞台は奈良時代。時の権力者藤原不比等の娘に光明子と名付けられた娘がいました。

光明子は美しく、賢い娘でした。

やがて、聖武天皇の妻となり、朝廷の権力争いや貧者の救済、大仏の建立など様々な事業を行う聖武天皇を支えていきます。

 

■作品を読んで

なかなか奈良時代を舞台にする小説がないような気がするので、珍しい気がします。

それにしてもですが、葉室麟さんの集英社文庫から出版されている作品は2作品あります。

2作品とも、女性を主人公にした作品しかないのは、たまたまでしょうか。

ちなみにですが、もう1冊も読んでいました。こちらです。

【女の生き様・歴史小説】44.「冬姫」

さて、戻りましょう。

光明子は藤原不比等の娘です。不比等にはほかにも4人の息子がいました。

光明子の生きていた時代は、藤原氏の第1回目の繁栄を迎えているといっても過言ではない時期でもありました。

また、当時は、元明・元正天皇が即位していましたが、このお2方、女性です。

女性をはさんだ後、聖武天皇が即位し、聖武天皇と光明子の娘の孝謙天皇が即位します。

奈良時代では女性天皇は珍しくはありませんでした。

おそらくですが、男の子がいないのであれば、とつなぐ形で女性皇族の誰かが天皇になったのだと思います。

例えばですが、持統天皇も女性ですが、政治をうまく回し、世の中を治めていた人もいました。

こうして今、女性天皇の問題がちらほら議論がされることもありますが、この作品を通して、女性天皇がいたころがあるということを踏まえてほしいな、と思ってしまいます。

それにしても、光明子という人は様々な政策を行っています。

代表的なものでは、非田院と施薬院を開設したことでしょうか。

非田院とは、貧しい人たちを救うための施設です。施薬院(やくいん)とは、病人の治療や投薬を行う施設で、現在でいうところの病院のような施設です。

1300年も昔に慈善事業を行っていたという事実には驚きです。

また、大仏建立に尽力しました。

これは、天然痘などの病気や朝廷内の争いなどがなくなるようにと願いを込めて大仏建立を聖武天皇に進言したそうです。

世の中が太平の世になるように、この願いというのはいつの時代も一緒なんですね。

光明子は娘の孝謙天皇が即位し、大仏の完成ののち亡くなったそうです。

光明子の周囲では様々な出来事があり、光明子1人の力ではどうしようもないことも多々ありました。

それでも、周囲と手を取り合い、1つ1つを解決していく姿はまぶしいものです。

 

■最後に

光明子の生きた時代は、政治事件や病気など様々な事件がありました。

また、女性天皇が存在していた時代でもあります。

光明子の姿が今の世の中を考えるきっかけになればと思います。

 

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