ある読書好きの女子が綴るブック記録

このサイトは年間100冊の本を読む本の虫の女子がこれから読書をしたい人向けに役に立つ情報を提供できればなと思い、発信しているブログです。

小説

【きらめく出会い】147.『二十五年後の読書』著:乙川優三郎

投稿日:1月 28, 2019 更新日:

こんばんは、トーコです。

今日は、乙川優三郎の『二十五年後の読書』です。

二十五年後の読書

 

■あらすじ

響子は1人で生きている。たまに谷郷という作家との逢瀬を重ねてはいるが。

ある日ひょんなことから書評を書き始める。文学を愛するが故の厳しくも愛情のある書評は各界から評判を呼ぶ。

その一方で響子の傍らにはカクテルグラスがあった。

 

■作品を読んで

以前にも紹介しました。こちらも良かったら読んでください。

8.「ロゴスの市」著:乙川優三郎

なんというか、ふと振り返ると「ロゴスの市」も本作品も「本」がテーマになっているような気がします。見せ方は違いますが。

編集者が持ち込んだ書評を書くという仕事は、響子に新たな世界を見せます。

もともと読書が好きだった響子にとって、書評を書くという仕事を拒みますが、響子の書評は評判を呼びます。

そこには文学への愛情に裏打ちされた悪意のない批評と賛辞があるからです。

きっとですが、著者の考えがものすごく含まれているんじゃないかななんて思います。

ネットとかでこうしてトーコのように投稿している人間がたくさんいます。ちょっと耳の痛い話もありますが。

トーコとしては、多くの人にもっと本を読んでほしくて、そのきっかけの一助になればと思ってこうしてブログを書いています。

こんな不確実でよくわかんない時代だからこそ多くの人に本を読んでほしいです。

こうやってブログという形で書いている以上、悪意のない批評と賛辞を心掛けないといけないのだなと改めて思います。

毎度思うのですが、この著者の文章って今どき珍しいくらい美しいです。「ロゴスの市」もそうですが。

日本語が滑らかによどみなく表現されている文章ってなかなかお目にかかれないなと思います。読んでいて読みやすいし、すがすがしいです。文章も楽しめます。

恋物語かと思いきや、物語の終盤で響子は神経病を患います。

頼りにしていた男たちが同時期に響子のもとから離れていきます。特にですが、谷郷が離れていった時が1番ショックが大きかったようです。

出会った当時、谷郷はカメラマンでしたがやがて作家に転身します。なかなかいい文章を書きますが、近年は往時の姿がなく、響子も谷郷の書く美しい小説を待ちわびています。

谷郷が響子のもとから離れた後、編集者を経由して谷郷の書いた小説が響子のもとに届きます。

谷郷の小説は、悔しいくらいの美しい文章で完璧な小説でした。響子はこの小説を読み終えた後、今後何をするかを定めることができ、日常に戻る決心を固めます。

完璧な小説を読み終えた後って、興奮を超えてすっごく高揚感が高まるし、何かが見えてきます。

読書するとなんというか、響子の気持ちがわかるのですよ。だから読書って面白いのですよ。

最高に面白い小説、琴線に触れる小説、完璧な小説。そんな作品に出会いたいから読む。

夢中になって読んでしまうのです。作家の良心が見える小説、探してみようかな。

 

■最後に

こんな時代だからこその光る文章と読書の醍醐味が味わえます。

だから読書は面白い。新しい本に出会うことを恐れないで、といいたい。

作家の良心が詰まった作品です。

 

 

-小説,

執筆者:


comment

関連記事

【味のある作家評】481.『作家との遭遇』著:沢木耕太郎

こんばんわ、トーコです。 今日は、沢木耕太郎の『作家との遭遇』です。 作家との遭遇 posted with ヨメレバ 沢木 耕太郎 新潮社 2022年04月26日   ■あらすじ 沢木耕太郎が出会って …

【作家になる前の日】381.『田辺聖子十八歳の日の記録』著:田辺聖子

こんばんわ、トーコです。 今日は、田辺聖子の『田辺聖子 十八歳の日の記録』です。   ■あらすじ 田辺聖子は、令和元年に亡くなりました。それから遺族が遺品を整理した際に、古い手帳が見つかりま …

【面白本屋】184.『すごい古書店 変な図書館』著:井上理津子

こんばんわ、トーコです。 今日は、井上理津子の『すごい古書店 変な図書館』です。 すごい古書店 変な図書館 (祥伝社新書)   ■あらすじ ある本屋に行けば珍しいお宝本に出会え、またある本屋 …

no image

【時代を生きる】90.『胡蝶の夢』著:司馬遼太郎

こんばんわ、トーコです。 今日は、司馬遼太郎の『胡蝶の夢』です。 胡蝶の夢 全4巻セット   ■あらすじ 松本良順は徳川幕府の奥医者の家に養子になった。そこへ佐渡から書生として島倉伊之助が松 …

【若き日のこと】211.『二十歳の火影』著:宮本輝

こんばんわ、トーコです。 今日は、宮本輝の『二十歳の火影』です。 新装版 二十歳の火影 (講談社文庫)   ■あらすじ 自分の生い立ちや学生時代、就職してから小説家になるまで。 様々なテーマ …