こんばんわ、トーコです。
今日は、ジェーン・スーの『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』です。
■あらすじ
2010年代に入ってから、「女子」という言葉が年齢と関係なく使われるようになりました。とはいえ、「女子」って一体何だろう。
一体いつまで「女子」でいいのだろう。
著者自身も女子を肯定できなかったころとうまく付き合えるようになってからのころのあれこれが詰まった作品です。
■作品を読んで
著者のジェーン・スーさん、何者かというと、生粋の日本人で、お昼のラジオのパーソナリティをしています。
お昼の前は土曜の夜に「相談は踊る」という番組をしていました。今は「生活は踊る」という番組です。
テレワーク中はラジオを聴いているトーコとしては、大変お世話になっており、12時に相談コーナーが始まるとお昼の準備が始めます。
とまあ、今現在のラジオパーソナリティのイメージで読み始めると、あれこんな人だったっけ、となります。
なんというか、尖っている。尖りすぎてて、びっくり。多分、今これと同じ内容で話したら、きっともっと表現が丸くなっている気がする。
なんか、いろいろやられます。でも、なるほど、四十路も悪くはない、年を取るのなんて怖くはない、そう思わせてくれます。
例えば、ピンク色の話。著者は、子どものころからピンクが大の苦手でした。トーコも子どものころピンクが苦手でした。
著者がピンクが嫌いな理由は、こう。
ピンク。あんなに自己愛の強そうな色はないでしょう?…あんなに「可愛さ」が画一的に記号化された色もない。ピンク好きを公言したり、ピンクの小物を持っ足りするのは、可愛がられたい気持ちを全面的に押し出しているのと同義!
そこまで言うんかい、と大概の方は思うと思います。でも、トーコはわかります。ま、可愛がられたい気持ちを見せつけているまでは思いませんでしたが。
まあ、ピンク色が似合わない人のコンプレックスであり、ひがみなのでしょう。わかるんですよ、トーコもピンクは全く似合わないから。
ピンク=可愛いの象徴カラー的に言われ、女の子=ピンクって言われてもねえ。似合わない人や嫌いな人間もいますよ、もしもし。
なんか代弁しているので、読んでいてすっきりし、うんうんってうなずきます。
著者の場合は、どうも幼い時に母親から「あなたにピンクは似合わないわよ」と言われ、それから成長してもますます似合わないことから、どんどん憎んでいったようです。それもすごいけど。
40代になり、自分が女であることに慣れ、女としての記号的な性的価値が落ちて初めて、ピンクに対してネガティブな感情を持たなくなったそうです。
トーコもピンクに対してはネガティブなものやコンプレックスは少しずつですが解消していきました。なぜか。著者もこう書いてます。
ピンクには想像以上にバリエーションがあって、過剰な女らしさを振り撒かないピンクもある。試してみれば、誰にでもそこそこ似合うピンクがある。
そう、どんなに似合わないと思っている色でも、赤、青、黄色と1口に言っても濃淡やトーンの組み合わせでいくらでもバリエーションがあるものです。
トーコもそれに気が付くことができて、すっきりしました。ああ、似合うピンクってあるじゃん、好きなピンクってあるじゃん、と。
著者も無事にピンクと和解することができました。和解してからピンク以外の色を選ぶのって自由になった、と書いてます。
ああ、なるほどね。消極的にピンク以外の色を選んでいたからでしょう、和解することで、かえって自由に色を選ぶことができるようになったのだと思います。
もう1つは、「三十代の自由と結婚」です。うー、タイトルからして身につまされる。
そして、読んでも「わかる!同意!」というものを感じさせます。
20代後半になると、特に大卒の人はそうですが、結婚ラッシュがやってきます。周りはどんどん結婚する、うわー急いで婚活しなきゃ、と。
トーコはこの結婚ラッシュを通り過ぎました。しかも、なんもしてないというおまけまでありますよ。
この状況を著者はこういいます。
最初の結婚ラッシュを見送った女には、なぜか見送り特典がついてきます。それは自由。二十代に比べて金銭的行動力的に馬力が効くようになった三十代女の独身生活は、未婚の自分を過度に責める気持ちさえなけれな、あまりにも自由過ぎて楽し過ぎる。
うわー、その通り過ぎるんですよ。びっくりするほど、その通りのことを指摘します(!?)
心地いいですよ、ただ1点結婚しないことに負い目を感じる以外は。
もちろん、結婚した人には相手との生活や子育てへの愚痴、住宅ローン、嫁姑関係などありますよ。でも、それがこの自由と引き換えにあると思ったら、誰も結婚はしなくなると思います。
でも、この話を読んでいくと、経済的自由がある、自分の人生を切り開くことの面白さを知る、でも結婚はしようと思えばいつだってできる、と思いながら、10年経過したら、居心地が良すぎてもう戻れないということを知ります。
先人の教えというのはこういうこと。そして、結論はこう。
まだ結婚に夢や希望を感じ、たったひとりと添い遂げる錯覚力があるうちに、さっさと結婚してしまうのが得策なのでしょうね。
これを読んで、さっさとかなり本気で結婚しようと思いました。
結婚と天秤にかけたとき、結婚よりも自由が楽し過ぎて絶対に手放したくない、と喚き散らす前に。
そのほかにも、女性30~40代が読んで、なるほど、と共感したくなるコラムがたくさんあります。
おそらく、このターゲット層なら、1つは共感できるコラム、エッセイがあると思います。
このターゲット層や特に男性なら一体どんな感想を持つのでしょう。トーコはそれも気にはなります。
■最後に
これを読めば、30~40代女子の生態系が分かります。とはいえ、該当する世代以外はなかなか足を踏み入れにくい部分はあるでしょうが。
当事者は今悩んでいることを一刀両断しますし、過ぎ去った人もきっとわかってくれる。さて、男性諸君はどう思うのでしょうか。
トーコはそこが1番気になるんですが…。
[…] 279.『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』、304.『私がオバさんになったよ』 […]