ある読書好きの女子が綴るブック記録

このサイトは年間100冊の本を読む本の虫の女子がこれから読書をしたい人向けに役に立つ情報を提供できればなと思い、発信しているブログです。

小説 文庫本

【甘さと苦さが共存する本】12.『無伴奏』 著:小池真理子

投稿日:4月 7, 2017 更新日:

こんにちは、トーコです。

今日は小池真理子の『無伴奏』です。

無伴奏 (新潮文庫)

■あらすじ

1960年代の学生紛争が盛んだった時代の仙台。主人公の響子も例にもれず、不良っぽくデモや集会に参加していました。

そんなあるとき「無伴奏」という喫茶店で渉、渉の友人の祐之介、祐之介の彼女エマと出会います。

しばらくして渉と恋に落ちます。

あれから20年。仙台を訪れたところから始まります。

 

■作品を読んで

作者の実話だけあって、60年代の学生紛争の記述がかなりリアルです。かなり学生紛争の実態がつかめそうです。

主人公のどこに行けばいいのかわからない、だけど今の自分から逃げ出したいという気持ち。

他人と違うことをしたいという気持ちは分からない訳ではないです。

だけど、この主人公は分からなかったのでしょうね。

どこに行けばいいのかを決めるのは自分だということ。

渉と恋に落ちたあと、物語のラスト手前で衝撃の事実を知ることになります。

その事実を受け入れるにはまだ幼いこともその当時はわからなかったのでしょう。

 

■最後に

響子も渉も互いを精一杯愛していたんだと思います。

響子には20年前の恋を回想するにはこの甘くて苦味が伴います。

でも誰しもここまで劇的ではないけど、そんな思い出があるはずです。

ちなみにこの作品はかなり小池真理子という作家さんの作品にしては異色らしいです。

 

-小説, 文庫本,

執筆者:


comment

関連記事

【人生をみつめる】387.『イヤシノウタ』著:吉本ばなな

こんばんわ、トーコです。 今日は、吉本ばななの『イヤシノウタ』です。   ■あらすじ なんてことない日の奇跡のような瞬間や、かけがえのないこと。その土地の持つ力や自然とともに生きること。 人 …

no image

【友達っていいな】58.「トットのマイ・フレンズ」著:黒柳徹子

こんばんわ、トーコです。 今日は、黒柳徹子の「トットのマイ・フレンズ」です。 トットのマイ・フレンズ (新潮文庫)   ■あらすじ この本は徹子さんの友人たちについて書かれた本です。 この作品には12 …

no image

【戦争期の平和な家庭の風景】67.「小さいおうち」著:中島京子

こんばんわ、トーコです。 今日は、中島京子の「小さいおうち」です。 小さいおうち (文春文庫)   ■あらすじ タキは山形から上京し、東京で女中として働いていた。 タキはしばらくして、平井家 …

【旅に出る】208.『彼女たちの場合は』著:江國香織

こんばんわ、トーコです。 今日は、江國香織の「彼女たちの場合は」です。 彼女たちの場合は   ■あらすじ 17歳の逸佳と14歳の礼那は従姉妹同士。 ある日「家出ではないので心配しないでね」と …

【仕事と読書】353.『ビジネスに効く最強の「読書」』著:出口治明

こんばんわ、トーコです。 今日は、出口治明の『ビジネスに効く最強の「読書」』です。 ビジネスに効く最強の「読書」   ■あらすじ ビジネス界で無類の本好きの著者が、日経ビジネスという雑誌の月 …