こんばんわ、トーコです。
今日は、池上彰の『新聞の読み方』です。
■あらすじ
突然ですが、新聞ってどう読んでいますか。最近はほとんどの人が新聞を読んでいないかもしれません。
根からの新聞好きの池上さんが、新聞記事の比較検証や記事への批判を連載した新聞のコーナーの書籍化されたのが本書です。
■作品を読んで
今回の著者はおなじみの池上さんです。まずは、これまでに紹介した作品を。75.『学び続ける力』。新書です。
これは以前に紹介した作品よりも読みやすいです。というか、いつもながらわかりやすい。
どうやらこの連載は終わってしまったので、もう2度と読むことはないでしょう。なんでも70歳を機に少しずつ仕事を減らしていくためだとか。
それはそれである意味すごい…。そういうふうになりたいものです。ってなれるか、一般人が…。
この作品を読んで1番思ったのは、新聞を購読してみようかな、と。
1人暮らしに新聞はあまりいらないし、第一カネが…、と思っていました。
けど、新聞が読めるところでちゃっかり新聞を読んでいたり、土曜日に新聞を買っていたり、実家に帰れば毎日届く新聞を楽しく読んでいたり。意外とトーコの生活の中に新聞はあるものです。
思えば、小学校6年生の時に卒業式までの1週間不登校になったことがありまして、その時に1番救われたのは新聞を読むことだった気がします。
気になる記事を理解できる範囲で読んだり、4コマ漫画を読んだり。おそらくここにはない世界が広がっていることに救われていたのでしょうな。
まあ、中学生になったら不登校なく普通に行けましたぜ。以上新聞に救われた話でした。
さて、そんなわけで戻ります。
第1章は、池上さんと新聞について述べているコラムで構成されています。
まず、これを読んでなぜ新聞社勤めの友人が2年生になり、新人を警察署に連れていた時に会ったのかがなんとなくわかりました。
それは、警察に通報され、取材のネタに事欠かないのです。犯罪等警察が出る幕がなくならない限り。
そこには特ダネや一般の社会で会うことのない人にも遭遇できます。尤も、警察とのかかわりが密接すぎるという批判はありますがね。
こうして、新米新聞記者は、取材の仕方、原稿の書き方、事実関係の確認などの指導を受け、育ちます。それには当然企業の新人教育と一緒なので、費用は掛かります。こうした努力の賜物で、良質な記事が生まれます。
「はじめに」に戻ってしまいますが、ネットに出ているニュースは、意外と新聞社が取材した記事の割合は高いです。
一方で、ネットニュースの一部では取材にコストをかける余裕がない媒体もあるかと思います。その結果、テレビ番組を見て”ニュース”に仕立てるという荒業が広がっています。
たとえているなら、「安住紳一郎の日曜天国」で安住さんが発言した内容が、ネットニュースになるというやつです。違っていたらすみません。
これにはなるほど、と思ってしまいました。
ちなみに新聞(朝刊)の文字数は約20万字で、これは新書2冊分に相当します。なぜ、受験生は新聞を読めと言われていたのかがよく分かりました。
この量の半分の半分でもいいから読めば、大量の情報に触れていることになります。また、読むスピードが速くなると思います。なんか納得しました。
また、これは真似できないのですが、新聞を読む量が尋常じゃないです。12紙はすごいですが、朝はざっと目を通すだけで、大体20分。そんなに早く終わるのか、と思うしかない。さらに、駅でプラス2紙買います。これを電車の中で読むのだそう。
夜になって、紙の新聞14紙に目を通して、気になる見出しを見つけたら、記事の「リード」を読み、興味が沸いたら本文を読む。これで大体1時間だとか。
さらに、気になった記事はページごと破って、クリアファイルに入れ、数週間経って必要だと思った記事をカテゴリー別に分けてクリアファイルに入れるのだとか。
著者本人もわかっていますが、一般人がやるには現実的ではないです。当然ですが。
なので、まずは新聞を購読し、新聞に目を通す習慣をつけることからスタートするのがよいと言います。これにトーコは感化された感じです。
おそらくですが、新聞を読む人は読まない人に相当な差をつけることも可能かと思います。馬鹿にできないぞ、新聞…。
その次に、メディア・リテラシーについて解説が続きます。簡単に言うと、メディアからの情報を読み解く、見極める能力です。
メディア・リテラシーを磨くには、さまざまなメディアに触れ、いろいろな視点、伝え方があることを知るのが重要になります。
確かに、こうでもしないとフェイクニュースに騙されてしまいそうや…。
池上さん的なおすすめは、新聞2紙を読み比べることです。さらにこういいます。
新聞によって、同じニュースでも、取り上げ方や伝え方がまったく違う場合があります。
ニュースというのは客観的なものだというイメージがあるかもしれません。実際、新聞は「客観報道」を装ってます。しかし、実は新聞によって伝え方は違います。ときには、同じニュースのはずが、正反対のことが書いますいてある場合さえあります。
…(中略)。だからこそ、誤ったニュースにだまされないために、そして、新聞をより楽しむためにも、新聞の読み比べをおすすめしたいのです。
これは意外とできるかもしれません。図書館など新聞がある場所で他紙を開いてみればいいのですから。
ちなみにですが、第2章以降は同じネタでも新聞社によって言葉の運びが異なってくる例がひたすら登場します。
本当に新聞社によってさまざまな言い方だったり、説明が飛ばされていたり、親切な解説を入れていたり、と新聞って工夫されているんだな、と思います。
一体どうやって比較してみていけばいいのかは、そこでつかんでみましょう。とはいえ、横に2紙並べないとわからん気がしますが。
それにしても、新聞の魅力や持つ力をここまで端的に、わかりやすく示している本というのはなかなかない気がします。
トーコですら、新聞読んでみようかな、と思うくらいですから。
■最後に
新聞が大好きな池上さんによる、新聞記事の比較検証コラムをまとめた作品です。
新聞の読み方が端的に、かなりわかりやすく示されています。新聞読もうかな、と思わせてくれる作品です。