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【憧れを実行する】319.『野心のすすめ』著:林真理子

投稿日:9月 14, 2021 更新日:

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こんばんわ、トーコです。

今日は、林真理子の『野心のすすめ』です。

野心のすすめ (講談社現代新書)

 

■あらすじ

最近の若者はいまのままで満足している人が多いのではないか。そりゃ、だって最低限は暮らせますからね。

でも、それでいいのでしょうか。読み進めると、野心という言葉の本当の意味が分かってきます。

 

■作品を読んで

トーコの親が著者の印象をこう評していました。「林真理子は、昔はかなりのブスだったけど、いつの間にかきれいになってたわ」

すんません、マジでごめんなさい。うちの親を許してください。

でも、トーコのように容姿に全く自信のない人間からすると自分を磨けばいつかきれいになるのでは、という希望が持てたりします。

しかしまあ、この作品を読めば、トーコの親が感じたことが解決されそうです。

ある意味では、この作品は著者の自伝的要素が満載な作品でもあります。よくもまあ、この薄さに収めましたわ。

まず、野心を持つ前に「現状認識」が必要と説きます。自分の人生がこれでいいのかを自覚するのは重要です。次にそこに屈辱感があるか。

就職で学歴がないから差別されたり、思うような仕事に就けなかったり。悔しいと思い、そこには本人なりに努力してきたという見返りがあるという事実を認識できるか、同時に自分の敗北を認めるか。

ここで重要なのは、「ま、しょうがないね」と諦観するか、現状を変えるために具体的な行動をおこすかで大きく分かれるということ。

ちなみに、この時著者はこう指摘します。「二流や三流の人々というのは、自分たちで固まりがちなこと」です。

なんだかこれ、すごくわかります。

トーコも最初の会社で同期で飲んでいた時に、「なんか同じようなことを言ってグダをまいてるだけじゃん」と思い、こうなるまいと思った記憶がありました。何が何でも脱出しよう、と心に決めた記憶があります。

あとは、「無知の知」の意味を早くに気が付くことでしょうか。「無知の知」という言葉は、もともとはソクラテスの言葉です。

何も知らないということを知っている人間は、自分が無知であることを自覚していない人間よりも、もっといろいろなことを知りたい、学ばなければならない、と思える点で勝っている、と著者は評します。

偶然ですけど、トーコにもそんなエピソードがあった気がします。

仕事でですけど、仕事上の知識がなんも知らないからほかの人よりも勉強しないといけないなー、と漠然と思っていたころが懐かしいですし、今でもそうです。というか、一層思う。

でも、これが最大の強みだったりするんでしょうね。当人からすれば当たり前なんですけど。

野心を持つことのできる人の定義も書かれています。

野心を持つことができる人とは、どのような人なのでしょうか。

それは、自分に与えられた時間はこれだけしかない、という考えが常に身に染み付いている人だと思います。

うわ、勝手に定義しやがって、と思った方もいると思います。でも、あながち間違いではないと思います。

時間はこれしかない、と切迫感に駆られている方がいいこともありますよ。

まず、切迫感のない業界で切迫感を持ちながら仕事していたらすごいスピードで学ぶことができますし、仕事にも積極的にもなれます。

残された時間はわずかしかないので。というか、何も考えていなかったら時だけが過ぎて、手遅れになります。下手をすれば気が付いたときには再起不能なところまでいるかもしれません。気が付かないよりはましでしょうけど。

ちなみに、すでに紹介した本42.「本を読む女」の主人公の著者の母は、言った当時97歳だったそうですが、「作家になりたかった。チャンスはいくらでもあったのに、努力をしない自分がいけなかった」と本気で悔しがってたようです。

というか、「本を読む女」に出てくる万亀さんって、戦前に旺文社に会社員勤めをしていたそうですが、毛皮のコートを着て帽子をかぶったおしゃれな女性だったそうです。著者はこの写真を見て愕然としたそうです。

著者の母は、戦後本屋さんで生計を立ててましたが、著者は戦前の母と現在の母を見て、無常というか、人生は流転していくものなのだな、と思ったそうです。

まあ、戦争を挟んだというのが大きいですが、それにしても著者のお母さん、自分が作家になれなかった理由を戦争のせいにしていないのがえらいです。

だから、一流の著名人に「ハヤシさんのお母さん、ただ者じゃないって顔してる」と言われたのでしょう。というか、そもそも戦前で大学出てる人ってほとんどいませんからね。

そして何より、やらない後悔は死ぬ寸前まで残るんですね。97歳のお母さん、スゲーわ。

結構同意できたのは、運は不思議ともっと大きいところ、人間の力が及ばないところにある力が働いているんだと考えているところです。

これは、その通りだな、と思ってます。というか、著者の286.「綴る女 評伝・宮尾登美子」でも触れられています。こっちのほうが後の作品なのであれですが。

人生には、ここが頑張り時だという時があります。そんな時、私は「あっ、いまじぶんは神様に試されているな」と思う。

(中略)ちゃんと努力し続けていたか、いいかげんにやっていたか。それを神様はちゃんと見ていて、「よし、合格」となったら、その人間を不思議な力で後押ししてくれる。

神様のお眼鏡にかなうためには、「ここぞという機会」を自分で作りだすこと=自らの意志で挑戦すること。それが野心でもあります。

強運の合格点をもらうためにもそれなりの努力はいるということです。

身に覚えの出来事がある方はぜひ大切に。そうでない方は目標に向かって努力することをお勧めします。

ここまででまさかの2章分です。3章は著者のこれまでの歩みの振り返りです。野心むき出しで体当たりしてたんだな、というのがよくわかります。

第4章は特に女性の人生についてどう考えるか、どう選択するかを示しています。専業主婦もいいですけど、世界の違い過ぎる専業主婦を見せられます。

第4章を読むと、トーコ個人的には、自分の好きなものは自分の稼ぎで揃えたいと思ってしまいますが。

第5章ではこれまでの総括になります。野心を持ち続けるということは、際限のない欲望を満たすためにも必要です。欲望のない人ってそんなにいないと思いますが。

著者は最後に、自分が送りたいと思う人生の目標を決めたら、頑張ってみることを勧めます。山登りと一緒です。

山登りは辛いですが、山の上から見る景色は美しく、素晴らしい眺めを自分の力で手に入れて味わう満足感と幸福を知ったら、さらに上に登りたくなるものです。

人生は短いです。挑戦し続ける人生を送る人を応援してこの作品は幕を閉じます。

 

■最後に

なんとなく野心という言葉の定義が変わりそうです。

どんな人生を送りたいのか、そのためにはどんな心持で挑んでいけばいいのか。そんなきっかけとヒントをくれる作品です。

 

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