こんばんわ、トーコです。
今日は、池上彰の『私たちはどう働くべきか』です。らしいです。
■あらすじ
新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活にも影響を与えました。これから先の自分の仕事にも不安を覚える人もいることでしょう。
この作品は、中学校で「働く」ことについての授業内容をベースにしています。一体どんな働き方をすればいいのでしょうか。
■作品を読んで
まずは、これまでに紹介した池上彰作品です。
新型コロナウイルスによって幾分変わったであろう、働き方。そんな働き方を考える一助になればと思い、出版したそうです。
が、もともと中学生向けの授業は新型コロナウイルスが流行する前に行われていたので、内容の再構築はしているはずです。
それでは、見ていきましょう。
新型コロナウイルスの感染拡大で、2020年春頃は自粛を余儀なくされました。あれから2年経過(現在2022年4月下旬)したんですね、早かったなあ。
その当時のトーコは、なんで命を冒してまで会社に来なきゃならんのだ、と非常に疑問に思っていました。加えて、4月~6月はトーコの働く職場は閑散期です。無理して出勤する必要があるんかい、と突っ込んでいました。
幸い、2020年4月からテレワークが認められたので、多い時で週3でテレワークをしていました。
極力会社に来ないということをして、気がつきます。家で出来るじゃん、仕事、回るわ、と。
実際に、この作品でも引用していますが、大企業の経営者の働き方も変わっています。リモートで仕事回るじゃん、と。
一方で、ハンコをもらいに行くためだけに出社するとか、「どんなことがあっても出社しろ」とのたまう会社もあったと思います。
医療従事者やスーパーで働く人などのエッセンシャルワーカーは外に出ないで働くことは出来ません。
また、今回の感染拡大で世界中で失業者が激増しました。日本では、派遣労働者やパート、アルバイトを中心に失業しました。
「自由に働ける」と「簡単に職がなくなる」は隣合わせだということを再確認しましたね。
ですが、2020年にテレワーク導入企業を2012年度比で3倍にするという公約は皮肉にも実現しましたが。もちろん、過重労働の危険も取り上げています。
第2章は、外国人に理解されない日本人の働き方。
ちょうどこの日、厚切りジェイソンがなんかのラジオで出てきました。が、本人は参考にはならないと言いながら、厚切りジェイソンの家は。厚切りジェイソンが稼いで、奥さんは完全に専業主婦で、3人のお子さんを育てています。
まさかの昭和の日本の典型的な家庭です。というか、そもそも厚切りジェイソンって確か会社の役員とお笑い芸人の二足わらじのはずです。
外国のスーパーエリートはいまだにこうなんだな、と思いました。ジョブ型雇用の究極系を見た気がしました。というか、これが典型的な日本。
しかし、外国人に言わせれば過労死なんて他の国にはないし、病気になったら休めばいい。労働者は時間外労働をして残業代をもらわないと生活できないし、なんならみんなが帰るまで帰れない職場だし…。
うんうん、分かりますよ、本当に基本給上げてよ、と言いたいですもの。容赦なく帰るキャラになると、逆に仕事増やされそうで怖いし…。
会社員で生きるのも辛いです。あと、プレミアムフライデーはまだ消えてませんよ、武田砂鉄さんがラジオでたまに話題にしていますよ、プレミアムフライデー。
第3章はブラック企業の実態についてです。厳しくて、精神がしんどくなるだけか、そこに少しだけ身を置くことで自分が成長できるかはきちんと見極めれば大丈夫な気がします。
厳しくて、精神がしんどいだけなら、速攻で逃げてくださいね。自分が成長できるかは試さないとわかりませんが、時間の無駄だなと思ったら違うものに乗り換えた方がいいです。
第4章は、働く権利についてです。まず、日本国憲法では勤労はそもそも3大義務です。
教育は権利ですが、中学校までの内容をマスターしておけば確かに生きられます。
ちなみに、SATというアメリカの大学入試試験の数学のレベルは中学校レベルらしいです。本当かどうか気になります。
また、労働3法の話や労働組合、残業、ストライキにも触れられています。このあたりは大人でもわかっていない人がいると思うので、ぜひ理解を深めましょう。
こうして理解するだけでも、何かを変えるきっかけになるかもしれませんからね。
第5章は働き方改革の論点についてで、働き方改革がなぜ叫ばれているのかという内容です。
生産年齢人口が減少していますが、移民を受け入れていない我が国で、働いていないけど日本語をきちんと理解しているがいるではないか。そう、女性です。特に専業主婦です。
夫の残業代を減らし、夫が早く家に帰ってきて子育てに協力すれば、母親は働きに出られるんじゃないか。また、保育所をもっともっと作れば、日中は保育所に預けて、父親と母親が交互に早く家に帰ってきて、子どもの面倒を見れば子育てができるじゃないか。そうすれば少子高齢化に歯止めがかかるんじゃないか。こう考えたわけです。
これは池上さんが考える「女性活躍社会」を実現させるための政府の魂胆なのでしょう。なんか、日本政府にしてやられた感がありますね。
でも、実際のところトーコと同じ世代の男性は「奥さんが働いてくれた方が、収入が増えるから助かる」と言っておりました。そんな世の中になってます。保育所が足りているとは言えないけど。
さらに、日本政府はこう考えているようです。
働きたいという人に、ずーっと働いてもらえるようにしよう。それによって、少子高齢化で労働力が不足するのを何とか補おうじゃないか。あるいは子育てをしやすくすることによって出生率を上げよう。これが安倍政権の「働き方改革」でした。安倍総理は退任しましたが、この路線は続くでしょう。
何だかな。さらに非正規労働者の存在も無視してはいません。様々な事情があって非正規労働者になったのかもしれませんが、生涯年収が2億違うということも触れています。
第6章はAI時代の働き方、第7章は令和時代の働き方です。ここから一気に将来設計に突入します。
まず、個人的に1つ言えることがあります。それは、これまでの時代の常識が通用しなくなるということ。
大企業に入ることが安泰、国家資格を取れば食いっぱぐれない、終身雇用制は崩壊している…。企業の栄枯盛衰も触れています。
ちなみに、弁護士はこの作品でも触れられている通りです。弁護士も数が増えすぎているので、仕事にあぶれる人も出てきているとずいぶん前に言われました。
何が1番安定かと言えば、おそらくAIに負けない仕事をするほかないです。どういう意味かというと、
ひたすた暗記して、その暗記したものを吐き出すということをやっているかぎりは負けてしまいます。AIに負けないようにするためには、AIにはできない創造的な仕事を自ら作り出すのです。
覚えるよりかは、知識を結び付けたり、どう使うかを考えたり、提案したり、ということはまだ人間の仕事です。やりたい仕事がなければ、自分で作るのも手、でもあります。
第8章は、池上さんのこれまでです。以前の著作でも一部触れられていますが、紆余曲折があり、現在に至っています。
その中にあきらめたけどかなった夢も含まれています。いくつになっても、チャンスに遭遇したり、ふとした瞬間に気がつくことができるのも幸せです。
また、中学生から見れば夢のない話が多かった中で、あるお坊さんの話を引用します。
人間の喜ぶことの一つは人に愛されること、二つ目には、人から褒められること、三つ目は人から頼りにされること。そして、四つ目は人の役に立つこと
これが働くということです。なんだか、再確認できたように思います。
■最後に
働くことに悩んでいる若者向けに書かれた作品です。とはいえ、悩む時期を超えた年代の人でも働くことに気づきがあります。
人間としてどう生きるかをこれまで以上に真剣に考えないといけない時代が来てしまったんだな、と思います。考えるいいヒントがあります。