こんばんわ、トーコです。
今日は、クリスチャン・ブッシュの『セレンディピティ 点をつなぐ力』です。
■あらすじ
突然ですが、「運」と「努力」が結びつくことができると言われたら、どう思いますか。
そんなことあるのか、と思うこと勿れ。この作品に書かれているマインドを手に入れたら、きっと近づくことができるかもしれないです。
■作品を読んで
かなりボリュームがあります。その分お値段も2200円と、文庫ばかり読んでいるトーコにしてはかなりお高い買い物でした。
そもそも「セレンディピティ」ってなんぞや、というところからスタートする方もいるのではないでしょうか。
セレンディピティとは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見することです。と、ウィキペディアに書かれてました。
そんなことは気の持ちようだと言われてしまえばその通りですが、素敵な出会いや予想外の発見がうれしくない方はいないと思います。
では、この作品ではどう描かれているのかを見ていきましょう。
序章で、幸運は備えのある者に訪れるという格言を紹介し、セレンディピティが偶然との出会いだけでなく、点と点をつないでいくプロセスということを理解するといいことに触れます。
さらに、最新の研究で圧倒的な成功と幸福を手にした人々にとって、セレンディピティ・マインドセットが有意義に生きるための支えとしてきた人生哲学であるとともに、私たちも手に入れることができる能力であることを主張します。
それらを踏まえて作品に行きます。どんな方法でセレンディピティ・マインドセットを高めていけばいいのかに触れられています。
以下は、この作品の構成です。
第1章:単なる幸運とセレンディピティの違い
第2章:妨げになる4つのバイアスを自覚する
第3章:「リフレーミング」で感度を高める
第4章:自らセレンディピティを求めるには
第5章:トリガーの種をまき、点をつなげる方法
第6章:好ましい偶然を好ましい結果に変える方法
第7章:人的ネットワークとセレンディピティ
第8章:組織のセレンディピティを高めるには
第9章:あなたのセレンディピティ・スコアをつける
第10章:賢く運を引き寄せるためにできること
章の末尾にはまとめがあるので、かなり内容がコンパクトにまとめられています。難しいよお、と思う方はちょうどいいのかもしれないですね。
書きすぎると面白くなくなるので、気をつけて書きますね。
第1章は、まずはセレンディピティトリガーに気がつくと、点と点を結び付けられるようになります。決して偶然ではないですが、ちゃんとそこに気がつけるかがカギですね。
第2章では、4つのバイアスについてです。
セレンディピティを阻害する要因として、予想外の要因の過小評価、多数派への同調による自己規制、事後合理化、機能的固定化です。
これらを自覚し、うまくコントロールする必要があります。そのためのセレンディピティ・ワークをすることをおすすめしています。
第2章以降はしばらくセレンディピティ・ワークについて書かれています。
トリガーを生み、発見し、点と点を結び、そこから偶然によって幸運へと変わっていきます。セレンディピティはそこらへんに落ちています。
そして、セレンディピティの恩恵を受けるために、粘り強さ、レジリエンス、自らの置かれた状況に価値を見出し、選別する能力もいります。
時には見切る力もいります。そりゃそうですが、効果のないものにしがみつく必要もないですね。
今日の不運は明日のセレンディピティかもしれません。この作品を読んでいけば、その通りだな、って納得できるようになりますよね。
だって、なんかの偶然の「点」になるかもしれませんしね。しかも、まさかの成功につながるかもしれませんし。結構すごいこと起こりそうですね。
最後に近づくと、実践することをもっと推奨できる環境の整備的なところにも踏み込みます。
しかも、個人だけでなく組織でも導入してはどうか、と提案します。組織の場合は心理的安全を保障するような機会をきちんと提供したうえで、改善点を提言することが求められます。
まあ、これの注意は言っても改善策として取り入れられていないじゃん、ということをにならないようにすることでしょうかね。
とはいえ、組織にもセレンディピティを取り入れるのも悪くない話のような気がします。
ラストは、セレンディピティ・スコアをつけていきます。これは、偶然を得るための行動をどれくらいしているかを見ています。時たま振り返りましょう。
偶然は引き寄せられるということを、ひょっとしたら1番科学的で、1番むずかしめに説明しているかもしれませんね、この作品。
でも、セレンディピティという偶然をつなぎ、必然に変えていくという行動は絶対にいるので、スピリチュアル系の解説が嫌いな方はこの作品はおすすめです。
トーコは結構スピリチュアル系の動画を実践するのが結構好きなので(実際効果ありますよ)、この作品だけでなく様々なスピリチュアル寄りの自己啓発本を読んでいますが。そうではない人にはおすすめです。
偶然は舐めないでくださいね。幸運のきっかけが、眠っています。
■最後に
小さなセレンディピティという偶然が点になり、繋がりになり、やがて幸運につながっていく一連の過程が示されています。
科学的に分析されているので、スピリチュアル系が苦手な方でも非常におすすめです。