こんばんわ、トーコです。
今日は、吉本ばななの『「違うこと」をしないこと』です。
■あらすじ
「なんか違う」直感でそう気づいても、しがらみに縛られて我慢していませんか。まずは、自分に正直になること。
そのために必要なヒントは、ばななさんの試行錯誤の結果がこの本には詰まっています。
■作品を読んで
読んだ後がすごく楽になりました。なんというか、読み進めるとタイトルの本当の意味が分かってきます。本を普段読まない人も読んだ方がいいです、これ。
人生が楽になるヒントがありそうです。
それでは、作品に行きましょう。
まず、こんな文章からスタートします。
自分の人生は、自分のものです。
どんな人であれ、自分そのものを生きることが大切。
そのためには、まず自分に正直であること。
そして、他人と正直にコミュニケーションすること。
結局はそれしかないんだってわかっていても、これが案外難しくて、振り返れば、私も失敗の連続でした。
そして、ここから先の内容は哲学っぽくなります。というか、何の自己啓発本なんだろう…。けれど、一般的なビジネス書よりかはまあわかりやすい。
人は、その時々で少しずつですが、変わっていきます。「今の自分」に合わなくなることもままあります。
しかし、その時はそれを言えずに済んでも、後で必ずぶつかります。なんか、それわかります。
だから、最初から正直に生きた方がいい。なので、著者は少しあなたと合わないみたい、少し離れるよ、と言うようになったそうです。
自分を納得させようとするときは、本来の自分を見失っています。ごまかし続けると、どんどん苦しくなるし、何かが立ち行かなくなります。
それもすごくわかります。というか、結構多くの人がそう思っているし、経験というか見覚えのある人は多いはず。
人は根本から変わらないので、本来の自分を生きることが大事になります。まあ、その通りですわね。ここで、字のフォントを変え、こう書いています。
ノイズが多いから、人は何度も自分を見失う。
いやー、これに尽きますよ。その通り過ぎて、何も言えません。自分は変わらないのですからね。
だから、自分の本心ではないこと、「なんかいやだ」と思うことがあったら、その声をスルーしないこと。それがノイズであり、自分を見失いかけることになる。
人それぞれやり方や考え方は違います。第1章の終りに宇宙の法則に触れます。
お次は、宇宙マッサージを専門にするプリミ恥部さんという方との対談です。って、すごい名前ですけど…。
宇宙マッサージとは、愛のエネルギーをつかって、地球人が生きていく中でしがらみやコンプライアンスなどによって制限されてきたエネルギーのゲートを解除して、宇宙と繋げてアップデートすることのようです。
多分、悩んでいない人からするとわけがわからないもののような気がします。
ここで、ばななさんの実感として、こう言います。
みんな、自分ってどういうものかをそもそも持たないように、持たないように教育されてきてるから、何も始められなくて無理はないなって。私は傷ついた人たちを小説で癒すというのを一番にやってきたわけですけれども、今はもはやそういうことをよりも、まずその人って何なのかというところをその人がまず自分で考えることをしないと疑問の持ち方も見えないような時代になってきちゃったなというのが実感としてあるんですね。
なんか、すごくわかります。自分を持っていないから、流れるままに就職し、忙しすぎて思考停止し、本当はもっと目を向ければ可能性があるのに、始められずにいる人って多い気がします。最近職場のワーママさんと話をして、ちょっと思いました。
ばななさんの小説は、かなり癒されます。なんというか、癒されるし、今の自分の状況に対してのヒントがあったりするんですよね。
著者自身は、24歳で売れてしまい。お金が入ってくるようになりました。当然、それを面白くないと思う人もいます。
ですが、ばななさん自身は、アメリカやイタリアの片田舎で、周りと合わないなと思っている女の子が絶対に手に取ってベットの明かりで読んで、救われている、というビジョンがありました。だから、頑張ってこれました。
それが作品の中に一貫して現れているなあ、と思うのと同時に、揺るぎないがないので読者としては安心感があったりします。
作品の中で、24歳ですぐに売れたときのことが書かれています。売れてお金が入ってきたときに思ったことは、このあぶく銭は絶対に消える。
だから、税金で取られた残りは、人のために使ったり、自分の経験のために使うことを思います。まだまだ作家として頑張りたいことはたくさんあるから。
経験したいことが山ほどあるのに、貯金したらきっと病気になるか、死んでしまうと思ったからだとか。
ふわふわしているようで、結構核となるところでは揺るがない。羨ましいですね。
ばななさんがこれまでの人生で経験したこと、そこから得た教訓や私たちに伝えたいことが、よりダイレクトに伝わります。それは実体験がちゃんと書かれているから、余計に説得力が増します。
この作品は、何かがあったら読み返すのにもちょうどいいですね。
■最後に
ばななさんの実体験に基づく、私たちに伝えたい教訓がまとめられています。普段の作品よりも、よりダイレクトに伝わってきます。
人生に悩んだ時に、人生に迷った時に効く作品です。
■関連記事
これまでに紹介した、吉本ばなな作品です。
92.『キッチン』、155.『ハゴロモ』、261.『白川夜船』 、281.『とかげ』、387.『イヤシノウタ』、425.『ミトンとふびん』